第六章 比と肩 … 参
むき出しの鉄筋。天井から垂れ下がり、バチバチと火花を散らす蛍光灯。
まるでビルのど真ん中を嵐が過ぎ去ったかのような惨劇は、第五小団隊の隊長と副隊長であるロッソ・ダリアとエミール・ダリアによるものだ。
彼らは今、ビルの内壁に現れた呪いの紋様によって自我を奪われ、錯乱状態にある。
「こちらルーン。月島、ヒヴァナさん! ……クソッ、なんで通じないんだ!」
わずかに残った部屋同士を隔てる壁の陰に身を隠し、ルーンは月島やヒヴァナたちと連絡を取ろうとしていた。
だが、これも紋様のせいなのだろうか、彼女たちがビルに突入した直後より、無線の調子が悪くノイズしか聞こえない。
いつまでも物陰に隠れていられるわけでもない。どうにかして隙を見て屋上を目指さないと、任務を達成することもできない。
物陰から顔をわずかに覗かせ辺りを見回した時、ちょうど対角線上に扉が半開きになったまま故障して停止しているエレベーターが目に入った。
(あそこからなんとか……!)
意を決して腰を起こし、走り出そうと床を蹴る足に力を込めた。
「っ……!」
しかしその時、強い気配が彼女を挟み込むように左右から放たれた。ロッソとエミールによるものだ。
「見つけた……!」
「逃がさんぞっ!」
「くっ!」
一か八か、ルーンは一気に物陰から飛び出し、一直線にエレベーターを目指す。同じくして、ロッソとエミールも技を繰り出した。
「報復!」
「絶刀!」
二人は一糸乱れぬ動きで拳を高らかに掲げ、そこから真下の床へと撃ち込んだ。その一撃で床一面が波打つように揺れたかと思うと、大きく亀裂が入り、細かいブロックのように床が階下へと崩れ落ち始めた。
「わぁっ!?」
フロアの中央付近まで来ていたルーンは、その揺れと崩壊に巻き込まれ、バランスを崩して足元をすくわれてしまった。
自身から一番近い、技の被害の少ない場所へとダイブするように飛び込むルーンだったが、崩壊の勢いの方が激しく、掴むところを見つける間もなく彼女の身体が突如開いた大きな穴へと滑っていく。
藁をも掴む思いで手を動かすルーンは、崩れて断面が露わになった床から突き出した鉄筋に、すんでのところで何とかぶら下がることができた。
「しぶといねぇ」
エミールが憎たらしげにつぶやく。ロッソも、それに相槌を打つように鼻で笑い、それぞれ二人はゆっくりと回り込み、ルーンに近づいていく。
「やめて……やめて下さい!」
必死に懇願するも、今のロッソやエミールには届かない。ニヤニヤと陰湿な笑みを浮かべながら、片手一つ分ほどしかない鉄の棒に捕まり、今にも落ちてしまいそうなルーンを見下ろした。
「任務を、任務を思い出してください!」
「任務だと?」
「そうです。我々のやるべきことは、仲間割れではないはずです!」
「任務……」
ロッソとエミールの目をそれぞれ見据え、届かないと分かっていても語りかけるルーン。
わずかながら効果があったのか、二人はパチパチと瞬きをすると、徐に顔を見合わせた。
けれど、希望が見えたかと思われたのも束の間、またあの陰湿な笑みに戻り、二人は今度こそルーンを見下ろし、すぐ手の届くところまでやってきた。
「任務はねぇ、教えてあげるよ」
「それはな……お前をここから落とすことだ!」
「ロッソ、エミール! やめるんだ!」
ロッソが片足を浮かせ、ルーンが掴まっている鉄筋の根元を踏みつけた。
直後、他の仲間の声が聞こえたが、それが誰か確認する余裕はルーンにはなかったし、もっとも、ロッソやエミールには意味をなさないものだった。
「うわっ!」
いとも容易く鉄筋は折れ、ルーンの身体が宙に浮いた。心臓が浮き上がり、所在無げに彷徨うような感覚が彼女の身体を襲った。
「神速、雷神!」
ロッソたちに制止の声をかけたその者の声がまた聞こえた。同時に、電気がバチバチと鳴る音がルーンの耳に聞こえ、彼女はその正体を知っていると、記憶の中を探った。
けれど、答えに辿り着くよりも先に、というよりも、それよりもずっと前の静電気のような音が聞こえた時には、既に彼女はその『答え』の人物によって安全な場所へと抱きかかえられた状態で着地していた。
「毎度毎度、俺の知らないところで訳の分からないことが起きてやがる……。おい、ルーン。ボーッとしてないで説明しろ」
「ヴァイスさん……!」
「ヴァイス……!」
「さっきから、ヒヴァナや月島の嬢ちゃんたちにも連絡はつかねぇし、それに、なんだってお前はロッソたちに襲われてるんだ?」
「それが、あの壁に現れている紋様が原因なんじゃないかと思うんです」
ルーンが指さした先、壁一面に青く怪し気に光る丸の紋様。ヴァイスはそれを苦々し気に見つめた。
「あれのせいで、きっとロッソさんたちは自我を忘れて……」
「あぁ、なるほど。合点がいった。こいつぁ『惑わしの紋様』だ。きっと無線の調子が悪いのもこれのせいだな……」
二人が話していると、二人が着地した階の一階下にいたロッソたちが登ってきてヴァイスに迫った。
「ヴァイス、その娘から離れろ!」
「お前たちが真っ先に罠にかかってどうすんだ、馬鹿野郎!」
ヴァイスに向かって一直線に襲い掛かるロッソ。そんなロッソに向かって、ヴァイスは怒りの声を上げた。だが、自我を忘れ、洗脳状態にある彼らは怯むことなく突っ走ってくる。
「どけぇーーーーっ!」
「ちっ、しゃらくせぇ」
ヴァイスは一言吐き捨てると、瞬時に屈んで相手の視界から一時的に外れ、そこから一気に相手の懐に飛び込んでロッソのみぞおちに掌底を打ち込んだ。
「カハッ!?」
なんと、ヴァイスよりも倍ほど体格がよく、それでいて筋力もあるはずのロッソが、ヴァイスの一突きで目を見開き、そのままゆっくりと彼の身体に被さるように前のめりに倒れこんだ。
ヴァイスはそれをいなすように、後ろへと放り出した。
「ロッソに何するんだい!」
「しまった……!」
そこへ、間髪入れずにエミールの踵下ろしが落ちてくる。なんとか慌ててそれを避け、ヴァイスは攻撃を食らうことなく飛びのくことができたが、どうやら休む暇を与えてはくれそうになかった。
「ルーン! 行け!」
「っ……!」
「自分で言った言葉を思い出せ! 任務があるだろ!」
次々に繰り出されるエミールの足技や突き技を躱したり受け流したりしながら、ヴァイスが声を上げる。
体格で差があり負けているヴァイスが、ロッソをいとも容易く気絶させ、見事制止させた。そのことに驚き、茫然としていたルーンだったが、ヴァイスの声に気が付いて我に返った。
「ヴァイスさん、すぐ戻ってきます!」
ルーンは改めて気持ちを切り替え集中し直すと、ヴァイスと何の掛け合いも一悶着もすることなく、素直に彼の言葉に従い、颯爽と背中を向けて走り去っていった。
目の端でそれを捉えたヴァイスは、少しは自分の助太刀に参戦しようかしまいか、迷いとか問答のようなものはないのかと思い、突っ込みを入れそうになった。
「ったく、いっちょ前になりやがって……!」
だがその表情は、成長した後輩の姿を喜ぶ先輩のような、嬉しそうな表情だった。
水中を漂う感覚と、時折自分の周りを何が通り過ぎていく気配や、水を伝わって肌に当たる揺らぎのようなものを感じ、月島はゆっくりと瞼を開けた。
「はっ……!」
そこでようやく月島は、自分が卵の殻の中へと放り込まれ、そこに溜まっていた水へと落ちたことを思い出した。
足掻けば足掻くほどに身体はどんどんと底の方へ落ちていく。息も、驚いた拍子に大きく口を開けてしまったために、暴れるたびに口元から大きな気泡となって逃げ出していく。
けれどそこで、月島は違和感に気がついた。確かに、屋上に現れた人魚の卵は巨大な物だった。しかし、それにしても底が深すぎると感じた。そして何より……。
「あれ、呼吸ができる……! しかも、喋れる」
とりあえず呼吸ができるということがわかった月島は落ち着きを取り戻し、改めて周りを見渡した。すると、なんと周囲をあの人魚たちが取り囲むように泳いでいた。
「なっ!」
慌てて、一文字から受け取った刀、花時雨を掴もうとした月島だったが、卵の水溜まりに落ちたときに手から離してしまったらしく、近くにもなかった。
このままでは襲われてしまうと思って身構えるが、人魚たちは不思議なほどに大人しく、一向に月島へ襲いかかる、ということはなかった。
不思議な距離感で泳ぎ回る人魚たちを困惑した面持ちで眺めていると、一体の人魚が花時雨を大事そうに両手で持ち、彼女のそばまで泳いで近づいてきた。
「え、わざわざ持ってきてくれたの?」
差し出された刀をそっと受け取り、持ってきてくれた人魚へそう尋ねると、人の言葉がわかるのか、人魚はコクリと小さく頷いてみせた。
間もなく、底だと思っていた方が明るくなり、人魚たちは逃げるように離れていった。
「ありがとう!」
去って行く人魚たちへ大きな声で礼を言ったが、何の返事も反応も返ってこなかった。
やがて、真っ白な光に一瞬包まれ、月島は眩しげに目をつぶった。やがて、明るさが落ち着くのを感じてゆっくりと瞼を開けると眼下に広がる景色に驚いた。
そこには街並みが広がっていて、彼女は空を飛んでいたのだ。
「え、どういうこと!?」
白っぽい石のレンガで出来上がった建物が立ち並び、どこを見回しても高い建物や近代的な構造物は一切見当たらない。それどころか、かすかに見える人々の姿も服装も、近代ではあまり見かけることのないような装束に思えた。
「これは……どこなんだろう……?」
そんな街を見下ろし、人々の行動を眺めながら思考を巡らしている時、ふと月島はモニター部での会話を思い出した。
「突如として現れたあの人魚たちは、町が一つ消えるほどの大人数の者の精気を吸いつくし廃人同然にすると、またしても突然に姿を消してしまったそうです」
レムリアの言ったその言葉が脳裏に現れ、月島は唾をのむ。
「まさか、違うよね?」
願うように絞り出したその言葉を裏切るように、直後、町中の家々の壁という壁一面に、あのビルの壁に現れたのと同じ青い紋様が現れた。
そこにいた人々は驚き、騒然とし始める。だが、それは間もなく狂乱へと変貌していく。
一人、また一人と、人々は首元を押さえて苦しそうにもがき始め、或いは、人格が変わったように他の人間を襲い始める者などが現れ始めた。
初めはざわざわとした戸惑いのような騒めきだったものが、ものの数分もしない間に叫び声へと変わり、地獄絵図へとなっていく。
「逃げて! 街の外へ逃げて!」
月島は必死に叫び、眼下で逃げ惑う人々へ避難を呼びかけるが、彼女の声は届いていないようで、誰も彼女に気付かない。
そうこうしている間にも人々は次々に倒れ、動かなくなっていく。そんな状況の中、また新たな来訪者が現れる。
町のどこからか湧いて出てきたのは、半透明の人魚の群れだった。
「あっ! 人魚……いったいどこから?」
急いで辺りを見回すと、町の中心地にある、他の家などと比べて大きな、聖堂と思われる建物が彼女の目に入った。
その建物はもともと中央が大きく飛び出し、それよりも小さな円柱形の構造が四隅にあるような建物だったらしいが、その内の二つの角、そして中央の建物の屋根が壊れ、そしてその上に乗っかるようにあの例の卵が鎮座していた。
「あの卵を何とかしないと!」
月島は眼下で次々と精気を吸われていく人々の姿を見て、使命感に駆られるままに身体を動かすが、自由が利かず、一向にその場から移動することができない。空中に浮かんだまま、ただその惨劇を見ることしかできないでいた。
「なんで、どうして!」
誰にぶつければいいのか分からず、ただ流れていく景色を見つめながら空中に向かって、倒れていく人々に向かって、やるせない自暴自棄な怒りを叫んだ。
気が付くと、景色が揺らめき、眼下の世界が変わった。そこは、海に近い港町のような場所で、太陽光が強く降り注ぎ、それが町に多く立ち並ぶ真っ白な外壁に反射していた。
地上を歩く人々の持ち物や服装などから、どうやら時代や土地を移動したらしい。
「私は、何を見せられているの? 早くルーンちゃんたちのところに戻って、あの卵を破壊しないといけないのに……」
そんなことを考えていると、またしても家々の壁にあの紋様が現れ、人々が狂乱し始めた。
「何度も、何年も同じことが繰り返されてきたんだ……。そして、今回も……」
ただ、しばらくその光景を眺めていても、一向に人魚の姿が現れない。疑問に思った月島は辺りをもう一度注意深く見渡す。
すると、町の中でひときわ大きな建物の屋根の上に、見覚えのある影を二つ見つけた。
「あれは!」
卵の中へ放り込まれる直前の記憶がよみがえる。そう、屋根の上にいたのは、「闇者」と言っていたモヤのような生命体たちだった。
先ほど同様、自分の意志では移動できない月島は、その闇者たちを睨みつけることしかできなかった。しかし、しばらく見ていると、嫌な予感が彼女に走った。
それは的中した。なんと闇者たちは彼女の視線に気が付き、そちらを振り向いたのだ。そして、彼女のことを見て一瞬驚いた表情を見せたが、悪巧みを思いついたのかすぐに笑みへと変わり、どこかへ姿を隠してしまった。
警戒して辺りを見回すが、間もなく、月島は奴らが姿を消した理由を目撃する。
「あれは、人魚の卵……! あの青い紋様と、人魚は別の出来事ってこと?」
何か引っかかるものを感じ、さらに注意深く町を見ようとした時、また視界が揺らめき、時間を移動した。
それから何度も景色を移動し、様々な惨劇を月島は見せられた。
まだ人間の姿すら見当たらない、恐竜の時代と思われる世界。レンガ造りの建物が並ぶ町。木造の平屋が並ぶ町。現代的な鉄筋の建物が連立するビル街。
それらを見続け憂鬱な気分になり始めた頃、今度は石で造られた建物が多く立ち並ぶ街を見下ろしていた。
壁や柱には様々な装飾が施され、町にはガス灯があり、道路を四輪自動車が走っていた。
「いつの時代かはわからないし、レムリアさんが見せてくれた文献にも書かれていなかったはずだけど……でもきっと、この町でも人魚とあの紋様の被害が起きるんだろうな……」
人魚の卵に落とされてから今まで見せられている景色の数々。ここまで見てきて、月島にはある考えが芽生え始めていた。それは、今見ている景色は「人魚たちが見てきて、経験した出来事」なのではないかと。そしてそれを、人魚たちが見せているのではないか、というものだ。
「でもどうして……人魚は『奴ら』の仲間であって、その人魚たちが、私の襟首を掴んで立たせたあの男と、その両脇から出てきたモヤの奴らがやってきたことを私に見せるってどういうこと?」
月島は一人考えこみ、今まさに彼女の身に別の変化が起きていることを気づかずにいた。
「あれ、そう言えば建物がやけに近い? って言うか、地面が近いし、建物とか町とか、こんなに大きかったっけ!?」
それまでの変化を見えていたのに気が付いていなかったせいで、急に建物の屋根や町中の街路樹が接近してきたように思えて、彼女は驚いて手をバタバタと暴れさせた。
慌てた彼女は急いで近場の枝や、屋根の瓦を掴もうとするが、何故かそれを躱すように身体がふわりと動く。
あれよあれという間に、彼女の身体はどんどんと地面に近づき、そしてとうとう彼女は地面に降り立ってしまった。
「え、えっと、これはどういう状況なの?」
周りを見回しても、見たことも訪れたこともない街並みで全くもって地理の見当がつかない。
とりあえず大通り広場に出れば、何か糸口でも掴めるかもしれないと歩き出した時、その歩き出した方角から、数人の男性が話す声と足音が聞こえてきた。
「空から人が降ってきた? 通報があったのはこっちの方か?」
「はい、この角を曲がった先がその場所かと……」
「なんか、凄くヤバい状況な気がするんですけど……?」
恐怖と緊張でどうすればよいか分からず固まっていると、軍服を身にまとった三人の男性が角を曲がって現れた。
そして、すぐさま月島の姿を視界にとらえると、途端に険しい表情へとなり、腰に携えたサーベルに手をかけた。
「貴様、何者だ!」
「その手に持った武器を地面に置け!」
「うわぁっ!? わ、分かりました、置きますから!」
月島は混乱の極致にいた。今にも泣きだしそうになりながら地面に跪き、慌てて放り出すように地面へ刀を置いた。
すると、三人のうちの一人、顔つきや軍服についたバッジなどから他二人よりも上の立場であろう人物が、他二人を制して、月島に声をかけてきた。
「ん? ちょっと待て……君、その刀は、どこで……?」
「へ、いや、これは私のものです……軍に入隊したから、これを与えるって、渡されたものです」
「軍刀を、君に? じゃあ、君は軍人?」
「は、はい……!」
この状況で、どうなることかと思われたが、どうやら理解者が現れたようだ。そう、月島が安堵の表情を浮かべた直後、男たちは顔を見合わせ、そしてすぐに腹を抱えて笑い始めた。
「え?」
「君は冗談が下手だな。軍で勤めて十年近く経つが、君みたいな子供を、しかも女の子を見たこともないし、そんな子が入隊したなんて話、噂にも聞いたことがない」
「どうせ、そこらの軍人をたぶらかして、軍刀を盗んだんでしょう」
「東郷さん、この娘を軍の拘留所に連れて行きましょう」
東郷と呼ばれた男は、月島の腕を掴んで立たせると、何も言わずにそのまま彼女を引っ張るように歩き始めた。
「あ、あの、私何もしてません」
「話は向こうで聞く」
問答無用で歩かされた月島は、やがて、どの建物よりも立派な造りの赤レンガで建てられた建物へ連れてこられてしまった。
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