第5話
「人がいっぱいでしょ」
先程ファミレスに来た時はそんなに人はいなかったはずだが、お昼時の今は沢山人がいた。
俺と清美は列に並んで、昼食を受け取る。ご飯と野菜ばかりのおかずと味噌汁だった。確かにちょっとだけ豪華? になった。まぁ食料不足なのでご飯に文句は言ってはいけない。
それにしても野菜や果物以外にお米も一から育てていると聞いた時は驚いたな。ただ元々ここは都会だったから建物ばかりなので米を育てる土地が限られてるらしいのでこのエリアの住民に出せるお米は結構ギリギリらしく、やっぱり外からも買いに行ったりするようだ。
「ファミレスの中はもう埋まってるから外で食べようか」
もう少し早く来れば店の中に座れたかもしれないがそれは仕方がない。座れそうな場所を探す。
今朝は直ぐに店の中に入ったし、食べ終わった後もすぐにこの場所を離れたから気づかなかったが、ファミレスの周りにも椅子とテーブルが沢山置いてあった。
「外に出てる椅子とテーブルって集めた物なの?」
「そうだよ。使われてない廃ビルとかから集めたり、学校からも取ってきてあるよ」
「なるほど」
そう会話していると空いている席を見つけたので一緒に食事を取ることにした。
「そういえばさ、良司くんはどうするか決めた?」
「何が?」
「ここに住むかどうか。ってまだ一日しか経ってないから答えなんてすぐ出せないよね?」
「いや、もう決めたよ」
昨日の出来事を思い出す。つけた傷が一瞬で治ったのを思い出す。普通の人間ではなくなったのだと。
「俺はここに残るよ」
「えっ!? もっとゆっくり考えても良かったんじゃ……?」
「昨日確かめたからね」
昨日、二人が部屋を出ていった後の事を話す。
「ずいぶん危ない事するなぁ。でもここに住むのを決めたんだったら歓迎するよ。街のみんなも優しいし、わからない事あったら聞いてね」
「ありがとう」
昼食を平らげ今後の話をする。
「午後はどうする?」
「うーん、どうしようかな」
午前中で街の中はだいたい案内してもらったので、他にすることを考えてなかったな.
「そうだねぇ。家探しとか?」
「家?」
「ほら、今は富永さんの家にお世話になってるでしょ?富永さんの事だからきっとあそこに住んでいいって言うと思うけど、もし気に入らないところがあれば自分の家を探すとか?ビルとか空き家、マンションいろいろあるし」
家探しか……。あそこのに不満はないけど、[中]で住むと決めた以上ずっとお世話になるのは気が引けるな。
「あとは、良司君自分の能力とかはもうわかってるの?」
「いや、まだだ……」
そういえば能力の事もあったな……。俺は考えた結果。
「自分の能力を調べる事にするよ。自分の能力が分かってたほうが何かあった時役に立つかもしれないし」
「それじゃあ決まりだね」
食べ終わったお皿を返して広い場所へ移動した。
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