病の恋

松永紅龍

運命の病

とある場所で一人の男が起きた出来事である。


そろそろ怪奇現象に合ってもおかしくないところまで来たなと男がそう呟いた。この男の名は明智雅と言って普通の人よりも霊感が強いことを覗いたらどこにでもいる男である。そうただ霊感を除いてであるが・・・



そんな彼がどうして怪奇現象が起きると予想をしてしまうのには理由があった。今、彼は入院をしていたのである。それと入院する前から何か違和感を感じていたのであった。恐らく霊もしくは死神だろうと彼は考えたのである。




そうして入院してからもう数日が過ぎたが違和感は消えるどころかむしろ大きくなっていたのである。もちろん家族にはこんなことを言えずただ彼は何かを待ち受けるだけであった。




そしてついにその時が来てしまったのである。



とある深夜三時に彼は目を覚ましたのである。トイレに向かおうとしようとした時に彼は体の異変に気がついたのであった。指一本も動かせなく意識だけはハッキリしていたそう金縛りにあったのである。



彼はただ心の中で早く終わるように祈っていたがその祈りは届かず金縛りを起こしている幽霊もしくはこの世の者ではない者が彼の前に立ち止まったのである。その姿を見て彼は恐怖の感情だけが支配されてしまったのである。




体は影のように見え顔には目の場所は黄色そして口は血のような真っ赤に染まっている者が今、彼の前に立ち止まりそのまま見ているだけかと思いきや手をだしなんと彼の首を絞め始めたのであった。




彼はただ必死に死にたくない死にたくないと心の中でそう叫び続けた・・いやそれしかできなかったのである。そうしている間にも絞めつける力は強くなりもうだめかと諦めかけたその時であった。頭の中に直接響くように声が聞こえたのである。



「・・・雅さんはどうして死にたくないの?」



彼は必死に答えを心の中で叫んだ。


(・・・俺はお世話になった人に恩返しが終わっていない。それでは死んでも死にきれない。)



そうして叫んだためか首を絞めていた手は離れたのであった。そうして何者かはまた彼の様子を見始めた。彼はさらに心の中で



(どんな理由なのかはわからないが俺を殺さないでくれ。この世界でやりたいことがまだある。せめて・・・せめて、恩人の恩返しが終わった直後でも構わないから今は殺さないでくれ。お願いだ・・・聞いてください。)



そうしてそれを返答するかのように黒い影は次第に形あるものに変わっていった。そこで彼が見た物は二次元でもいるかのような美少女であった。そしてその少女がはっきりと声を出して話した。



「雅さん・・・私のことが気に入りませんでしたか。それともどこがダメでしたか教えてください、絶対に直します。ですから私と一緒についてきてください。お願いいたします。私はあなたに一目惚れしてしまったのです。あなたがほしくてたまりません。ですから少しばかり乱暴ですが連れていこうとしました。嘘は一つもついておりません。あなたが好きです。」



雅は急なことで少しばかり混乱したがここは偽りなく答えを返したのであった。



(正直に言って君みたいな美しさと可愛さを持った姫様みたいな子に好きと言われてとてもうれしい・・・けどそれでも俺はここまで片親で育ててくれた母に恩返しを返していないから大変申し訳ないけど君と一緒にいけないこんな自分を許してくれ。)



姫みたいな美少女は少しばかり間を置いてから返事を返したのであった。



「それではそれまで私はあなたを待ち続けます。死んだら私のところに魂を持っていきます。それでよろしいですか、雅さん。」



彼はこの美少女はどうしても自分を連れていきたいのかと思ったが恋は病とも聞く恐らくこの問題を解決しないと自分は一生・・いやすぐにでも連れていかれるなと感じながらも素直に心の中で



(そうだな。死んだ後なら君みたいな美少女に連れていかれたいかな。だけどそれは母に恩返しをして満足に死ねた後にしてほしいかな。わがままなのはわかっているけど・・・)



彼はできる限り相手に不快な思いをさせないようにこのように返したのであった。返事は・・・



「・・・わかりました。それでは私はあなたの言葉を信じて待ち続けることにいたします。ですのでどうかこの世でなくなった後は・・・私と一緒に来てくださいね。」



美少女は恥ずかしそうにしながらもそう答えた。彼の返事は・・・



(もちろんだ。むしろ、満足に死んだ後にこんな美少女と一緒にいられるなんて幸せ者だよ。)



美少女はうれしさと恥ずかしさ半分の表情となりながらも最後は笑顔でお辞儀をして消え去ったのである。そうして金縛りも解けた彼はいなくなった美少女に対して



「本当にありがとな、優しい姫さん。」




しばらくして彼は無事に退院することができたのであった。それから社会復帰してから間もなくとある二次元の作品を見ていたらとある作品であの時に会った美少女と似ている人物がいた。



彼はまさかなと思いつつその作品シリーズを何となく集め始めたのである。本当に何となく集めてみたくなったのであった。そして奇跡的にその美少女に関する物がよく当たるのであった。どんだけ俺のことが好きなんだよと心の中でそう思った。




そしてある日、寝坊して自電車でスピードを出していたら横から車が出てきてもう駄目だと思ったが奇跡的にうまく避けられ大事には至らなかった。



彼はまさかとお守りと一緒に入れておいた美少女のカードが見たのであった。そして彼はカードに向かってありがとよと言った。



その時であったどこからか風と一緒に



「雅さん、頑張ってくださいね。見守っていますよ、私は。」



彼は声がした方に振り向いたが誰もいなかったが彼は



「本当にうれしいよ、姫さん。これからも見ていてくれ俺の人生を見守っ・・・そうだった時間がなかったんだ、走れーー。全力疾走だーー。」



その場を立ち去ったそこには少しばかり笑いを堪えながら明智雅を見守るかのように見ている美少女がいたのであった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

病の恋 松永紅龍 @mekisikosaramannda-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ