救出と参戦

『やれやれ、ひでえもんだぜ。見慣れねえ機体が大破してやがる……おっと?』

『壊滅的な惨状を呈している白い機体ですが、生命反応がありますね。助けましょう』

 2機のアカンサスは、白い機体ことレヴァレアスに近づき、コクピットの前に立つ。

『降りるぜ。周辺警戒よろしく』

『勿論です』

 黒猫の獣人が降り、コクピットを強引にこじ開ける。

「………………よっと! アァ、こいつぁ重てえや!」

 中で気絶しているリーゼロッテを見つけ、引きずり出した。

「ケイオンまで乗せてやれ、ミハル! 死にかけだぞ!」

『わかってますよ、黒猫さん。いえ、エクリプス少尉』

 黒色のアカンサスのマニピュレータ(手のひら)に乗せられ、ケイオンまで運ばれるリーゼロッテ。

『よし。……おい! そっちの黒い機体のパイロット、大丈夫か!?』

 と、近くの空間に向かって叫ぶ獣人こと、コウ・エクリプス少尉。

『大丈夫なら、返答してくれ!』


『大丈夫だ。支援に感謝する』


 応答したのは、ボロボロになった“漆黒”の武蔵であった。

『っておい、機体はボロボロじゃねえか! 支えるか!?』

『いや、大丈夫だ。ギリギリではあるが、歩行も飛翔も可能だ』

 武蔵は南に向かい、移動を開始した。

『その軍艦への乗艦許可を頂きたい。我々の拠点へ案内する』

『わかった。いいな、ミハル?』

『聞こえてますよ、黒猫さん。大丈夫です、乗せてあげてください』

『あいよ。許可が下りた、乗りな』

『感謝する』

 武蔵はケイオンに“漆黒”ごと乗り込み、一軒家までの道を案内した。


     *


「あら?」

 一軒家にいたシュシュは、奇妙なものを見つけた。

『お姉様、よろしいでしょうか?』

『ええ。何かしら?』

『見慣れぬ巨大な……その、戦艦らしきものが、この家の近くに……』

 シュシュは信じられぬものを見たといった様子で、恐る恐る報告した。

「シュヴァルツシュヴェーアト殿下。私が出ます」

 と、ネーゼが玄関の外へと歩む。

「私も失礼します」

 加えて、ハーゲンもシュシュの脇を通り抜けた。


 数分後、ケイオンのハッチが開いた。

 コウ、そしてミハルと呼ばれる女性が、アカンサスごと下船する。

 そしてアカンサスからも降り、ネーゼとハーゲンに顔を合わせた。

「お久しぶりです、ネーゼ様。ミハル・ジュドー中尉です」

「お久しぶりです、ネーゼ様。そしてハーゲン元大尉、改め師匠。コウ・エクリプス少尉です」

 懐かしき再会を感謝する、コウとミハルの二人。

「久しぶりですね、ミハル。そして黒猫さん」

「コウか……! 俺の元から離れても、うまくやったか?(全く、運命ってもんは何て巡り合わせをさせる!)」

 ネーゼとハーゲンも、同様に感謝を告げた。

「さて、そろそろあの二人を降ろしてやんねえとな……!」

 コウはケイオンを向くと、何かを呟いた。



作者からの追伸


 有原です。


 こうして、ケイオンに乗艦していた2人も仲間となりました。



 さて、ここからは別の話。

 暗黒星雲様、「もふもふと鋼鉄人形」(の続編)のを書く許可を、いただきたく存じます。


(改変済)


 さて、今回はここまで!

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