一章 四部 第二世界からの侵略者

第18話 金曜日

そんなわけで、レーナとの共同生活?が、始まった。

あいかわらず、時計の電子音で目覚めた俺は、着替えて一階に降りる。


「おはよう、茉莉まつり、レーナさん。」

「おはようございます、雅刀まさとさん。」

「おはよう、お兄ちゃん。」


いつも通りのようで、いつも通りではない新しい日々の始まりだった。

まあ、朝までは良かったのだが…。


「…眠い。」

「どうした、雅刀?」

正幸まさゆき…貴様なぜ元気なんだ?」

「今日が、金曜日だから…。」

「それだけで…。」

「ああ、だって明日は土曜日だし。」

「それもそうだな…。」


パーティーの片付けをした後、その後も茉莉、レーナ、果歩かほと共に話をしていた。

そのせいで、物凄く眠い。

とはいえ、果歩とレーナはというと、クラスの女子とまた、話していた。


「どうした、元気がでないのか?」

「…なんだ、大吾か。」

「なんだとは何だよ…。」

「眠い…。」

「眠いのか?」

「ああ、物凄く眠い。」

「そういう時は、エナジードリンクがいいぞ!海外製の!」

「そんなものどこで…。」

「駅前の輸入雑貨店に置いてあったぞ。カフェイン50ミリグラム入り355ミリリットル缶、一本たったの180円!」

「…お得なのか、それは?」

「少々、割高かな?なんせ、フランス製だし。」

「あ~ね《ああ、なるほどね》、確かにフランス製ならそれくらいはするか…。」

「はあ…というか、どこの国のやつなんだそれ?」

「ベトナム製…。」

「…なんじゃそりゃ?」

「販売元は、日本で、元の会社はフランスで、工場がベトナムだから実質フランス製だ。」

「…もう、わけわからん。」

「味は、保証できる。」

「本当か?」

「少し酸味のある味で、色は黄色だ。」

「なるほど…。」

「ちなみに、ビタミンcの配合量が少ない。」

「…おいおい。」

「というか、なんて書いてあるのかまったくわからない。」

「日本で、売るときになんか貼り付けられたりするんじゃないのか?」

「うーん、英語が書いてあったような…まあ、とりあえずおすすめするぞ。」

「信用できねえよ!」

「う~ん、それじゃあ、この会社がオランダで、販売元が日本で、製造元がベトナムのネット上でのレビューに日本語が一つもない飲み物をあげよう。」

「いるか、そんなもん!誰が、飲むんだ!」

「焼酎を割るのにいいらしい。」

「おっ、それ知ってる。なんか、すごいんだっけ?」

「ああ、スカッとしたさわやかさと舌触りで飲みやすいんだって。とはいえ、エナジードリンクだからカフェインと糖分も含まれているから、気をつけた方がいいんだって。というか、カフェインも糖分も中毒性があるからな。なんか、種類があって、エナジードリンクとウォッカを混ぜたやつだインテリ、養命酒と混ぜたのが蓬莱ほうらい、焼酎と混ぜたのが磊落らいらく、ビールと混ぜたのが鉄血てつけつ、ワインと混ぜたのが種子しゅし…って、名前らしい。」

「それ、どこの情報だ?」

「俺が、名付けた。」

「お前かよ!」

「てなわけで、飲め。」

「…飲むわけないだろ。」


そして、今日も俺は、正幸と大吾と一日中たわいのない話をし、夕飯の買い出しをして、家に帰った。

また、今日も大吾は教室を飛び出してどこかに行った。

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