脳風呂
私は闇市場で購入した大量の脳味噌を浴槽に敷き詰めた。浴槽を埋め尽くした人間の脳味噌はとても美しかった。思わず笑みが溢れた。
私が脳味噌に興味を抱いたのは半年前に飛び降り自殺を目撃したのがきっかけだった。半年前に人気のない裏路地を歩いていたら、目の前に少女が落ちてきたのだ。少女は思いっきり地面に叩きつけられて即死だった。頭が割れて脳味噌が飛び出ているのを見た時は心臓が止まるかと思った。
けれどよく見ると、脳味噌は淡いピンク色で美しく、一瞬にして心を奪われて息をするのも忘れ、見入ってしまったのだ。この出来事がきっかけで脳味噌に興味を持ち始め、今日の早朝に闇市場でついに現物を手に入れたというわけだ。少女が飛び降り自殺だったというのは後になって知った。
私はウキウキした気分で全裸になると、ゆっくりと浴槽に体を沈めた。大量の脳味噌が体に纏わりつく。脳味噌のぶよぶよとした感触が非常に心地良かった。
浴槽内を見回し、丸くて形の良さそうな脳味噌を手に取ると、頬ずりした。脳味噌のツルツルさとザラザラさが最高にたまらなかった。
私はしばらく脳味噌の感触を堪能する。軽くひと息ついてから、脳味噌を潰す作業を始めた。瞬く間に浴槽は血で満たされていく。ほんの数分ほどで、浴槽は血液と脳味噌の残骸でいっぱいになった。
血液に包まれていると思うと、たまらなく興奮し、私は思わず失禁してしまった。けれど、そんな失態も些末に思えるほど私は幸福な気分だった。
心地良い気分で、私は朝まで血液に浸かり続けた。
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