変身

 薄暗い部屋の中に少年の死体があった。少年は死人とは思えないくらい穏やかな表情をしていた。

 死体の側には少年とよく似た顔立ちの女性が立っていた。女性の顔はニキビだらけで、シミも目立ち、髪もほとんどが白髪だった。

 女性は肉切り包丁を手に取ると、少年の頭をゆっくりと切り開いていく。淡いピンク色の脳味噌を取り出し、死体のお腹に載せた。

 女性は肉切り包丁を床に置き、両手で脳味噌を持つと、ゆっくりと食べ始めた。脳味噌から血が溢れ出し、床を真っ赤に染める。

 女性が脳味噌を食べるたびに、白髪が黒く染まっていく。さらにニキビやシミも時間が巻き戻ったかのように消えていく。脳味噌を食べ終える頃には美しい女性に変貌していた。

 美しく変身した女性はうっとりした表情で少年の死体にキスをした。

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