空からお金が降ってくる
現在、世界中である異常現象が起きていた。それは世界各地に空からお金が降ってくるというものだった。
硬貨やお札が大量に降ってくるのだ。
世界中の研究者たちが寝る間も惜しんで、この異常現象を研究しているが、未だ原因は解明されていない。
☆☆
いつも同じ時間にお金は降ってくる。正午ピッタリに。
――と、その時間はやってきた。
空が眩い光に包まれた直後に大量のお金が降ってくる。
歌子は硬貨やお札をバケツにかき集める。周辺の住人も外に出てきて、各々が持ってきた容器にかき集め始める。
そしてまたいつもどおりの空へと戻る。
歌子はそそくさと家へ戻った。これから銀行へ行かなくてはならない。この現象がいつまで続くのか分からない以上、とにかくせっせと預金するに限る。
☆☆
これを機に犯罪が減少しつつある。なにせ強盗などしなくとも、大量のお金が手に入るのだ。
それと同時に働く人も減りつつある。働かなくとも、お金が手に入るのだ。
やがてみんなが働くのを辞める。その結果、水道が出ない、ガスがつかない、電気がこない。
銀行からお金を引き出すことなど、もちろんできない。
☆☆
それでもお金は降り止まない。
人はもう誰もお金を気にしない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます