書く環境を整える<前編>
……なんて、できたら苦労しませんよねー。
いざ書こうとしても、気が散る。ツイッターを開いては意味もなくTL更新を繰り返し、ブラウザを開いては調べ物を脱線させてネットサーフィン。
よくあることですね。非常によくあることです。
かく言う僕も、今まさに脱線中です。締切間近の原稿を完成させなければいけないのですけどね。手がとまってしまいましてね。息抜きにこの記事を書いています。よろしくないですね。
せっかく良いプロットができても、執筆に集中できなければ原稿はいつまでたっても完成しません。
『書き方』の話の前に、書く『環境』を整える、というところからお話ししましょう。
安心して、そして安定して執筆するために必要な環境の鍵は、主に以下の3つです。
1.生活が安定していること。
2.道具がそろっていること。
3.家族の理解があること。
これ以外にもいっぱいあるっちゃあるんですが、まあそれらはなんとなくほにゃほにゃやってればそのうちどうにかなるものなので、今は放っておきます。
1.生活が安定していること。
作家は夢のある職業ですが、一方で相当ヤクザな職業です。主に、親泣かせ、という意味で。
収入は不定期、いくら入るかも決まっていない。一年後の見通しもたたない。今は仕事があっても五年後には路上生活かもしれない。カードも作れないし保険もお断りされる場合がある。就活市場では、一部の業種を除いて扱いはほぼ『無職』と同じ。
時雨沢恵一先生くらい売れれば少しは安心できるかもしれませんが、でなければ比喩抜きに『明日をもしれぬ身』です。
だからこそ、作家を目指すなら安定した生活、すなわち収入が必要なのです。
逼迫した心配ごとがあるとき、人はどうしても心がざわついて何事にも集中しづらくなるものです。お金がないと「週末2日間、飲まず食わずでひたすら寝て過ごした」とか言うことにもなりますし。なりますし……。
「今日明日飢える心配をする必要がない」という事実は精神を非常に安定させます。ついでに、あなたの親の胃痛も解消させてくれます。
ただ、この意見に関しては、僕が以前小説の書き方を習っていた先生が、まったく逆のことをおっしゃっているんですね。
曰く「小説家になるような人は、生活が安定していない人が多い」と。
それと言いますのも、『小説を書く』というのはめっちゃつらい作業です。みなさんすでに骨身にしみてご存知かと思いますが、つらいですよね。もちろんつらいだけじゃないですが、まあつらいです。
その『めっちゃつらい作業』にも心が折れず、何度も何度も作品を書き上げることができる人は、『作家になるよりほかに生き残る道がない人』――すなわち、『生活が困窮していて明日をもしれぬ身である人』である、と。
たとえば、クソブラック企業で働いているとか、シングルマザーであるとか。
生活が安定しているならば、わざわざクソつらい思いをして書く必要はないんです。書かなくても誰も困りませんし、なにより自分自身死ぬわけではありませんから。小説執筆以外にも、楽しい趣味はたくさんありますしね。
僕は、どちらの意見も正しいと思います。
っていうか、僕みたいなライターとしてはペーペーペーのぺーがのたまうようなことよりも、プロである先生がおっしゃることの方が、より信頼できると思います。
とはいえ、安定した収入っていいもんですよ。
ヲタグッズ、いっぱい買えますしね。
想定より記事が長くなってしまいました。残り2項目は、次回解説いたします。
ではでは。
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