第5話赤宮 きりんが赤宮 カノンになったワケ そして姉は… パートフォー

「ま、まあ落ち着こう?」


「う、うん…」


「………」


「………」


「あのね、きりん…」


「な、何?」


「きりんは男の子に…戻りたい?」


「うん…学校は普通に行きたいし…」


「うん、そうだよね!わかった。…だから覚悟はできてる。だから…ね?キスして…いい…よ?」


姉はそう言って目をつぶる。


「えっ!本当に大丈夫なのか?」


「大丈夫。ほら早く!」


「わ、わかった…じゃあ、失礼します…」


そして俺は戸惑いながらも、姉の唇に自分のを重ねた。

そしてすぐに離れようとしたが、


「あれ?戻って…むぐっ!!」


そう、姉に引っ張られてまたキスされた。

しかも舌を入れて。


「ちゅっ…んっ…んはっ…ん」


色っぽい声だけが俺の部屋に流れる。


そしてしばらくしてそのキスが終わる。


「んっ…はぁ…ディープキスで戻ったね?」


「えっ?うん…」


「じゃあ、八時間は大丈夫だから…帰りは早く戻ってくるんだよ?」


そう言って部屋から出て行った。


そのあと俺には、姉の柔らかな唇の感触、ディープキスのことがしばらく頭から離れてくれなかった。




ーーーーーーーー




で、そのあと私が姉とディープキスしないと男に戻れない、声優になるためにマネージャーが必要とかがあって悩んでいた時、

姉は、




「私がやってあげるよ。夢を叶えたいんでしょ?私しか知らない秘密とかもあるしね?」


と大学を辞めてまで引き受けてくれた。


そんな姉には今でも感謝している。


私は着替えると急いで玄関に向かう。


「カノ〜ン、早くしないと遅れちゃう!」


「今いくー」


私は姉が乗っている車まで急ぎ足で向かった。

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