第38話
「琴美ちゃん。お風呂に入って温まろうね」
高坂は、琴音と琴美をお風呂に入れて着替えさせ、琴美をソファに横にさせると、当番の子供と夕ごはんの支度を始める。その間、琴音はずっと琴美の横にいて、様子を伺っている。
「琴音ちゃん。少し休んだら?疲れたでしょう」
職員が話し掛けても、
「私は大丈夫だから」
と全く聞く耳を持たない。親にも出来ないようなことが、姉妹なら出来る。親には理解出来ないようなことが、姉妹には伝わる。琴音はちゃんと分かっている。姉妹が側にいる。そのことが、どれだけ安心出来ることなのかを。琴美はゆっくりと寝息を立て始めた。それを確認した琴音は、安心したのか隣で眠ってしまう。あまりの微笑ましさに、職員の顔にも自然と笑みが浮かぶ。この時、この場にいる誰が、あの真実に気付いているのだろうか。
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