第25話

眩しい光で琴音は目を覚ました。昨日は暗くて気付かなかったが、この部屋には格子窓がある。まあ、いくら子供でも潜り抜けれないくらいの小さなものだが。

「お姉ちゃん…」

「琴美。おはよう」

「おはよう…」

琴音の挨拶に応えた琴美はなんだか少し元気を失っているように見えた。

「どうしたの?琴美」

「なんかお姉ちゃんじゃない人の気配がして、ちゃんと眠れなかったの。それになんか、頭痛い…」

「大丈夫?もう少し寝てて良いよ」

「でももう寝れない…頭痛い…」

「どうしちゃったのかな…」

琴音は、不安げな妹の頭に手を当てながら、安心させるような声を掛けた。

「大丈夫。大丈夫だから。きっと助けに来てくれるよ。熱は無いみたいだし…」

「怖いよお姉ちゃん…怖い…」

琴美はただならない恐怖にブルブル震え、目を瞑る。

「大丈夫。大丈夫」

何度背中をさすっても、どれだけ抱き締めても、琴美の不安と恐怖が取り除かれる事は無い。琴音はただ必死で妹を安心させる事ばかり考える。

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