四つ葉のクローバー

勝利だギューちゃん

第1話

ある日、クラスのみんなで、遊びに出かけた。

夏休みを利用して、高原に出かけた。


高原はとても、涼しくて、心地よかった・・・


そんなか、森の奥に泉があった。

そこで、クラスの男の子が、絵を描いていた。


「何を描いてるの?」

スケッチブックを覗き込んだ・・・

「何?これ?」

そこには見た事もない生物が描かれていた。

「妖精」

そう彼は、答えた。


私は辺りを見回した。

「そんなの、どこにもいないよ」

彼に訪ねると、彼は、

「見えない?」

そう訊いてきた。

「・・・うん・・・」

そう答えるしかなかった。


「こうすれば、見えるよね」

そう言って、彼は四つ葉のクローバーを、私の頭の上に乗せた。

「なにこれ、凄い」

そこには、見た事もない景色が広がっていた。


見た事もない生物たちが、楽しそうにあそんでいた。

この子たちが、彼の言う妖精なのか?

私は絵本の中に紛れ込んだかのように、しばし呆然としていた。


「どう?見える」

「・・・うん・・・これは何なの?」

「さっきも言ったけど、妖精」


ふいに、彼は私の頭の上の、四つ葉のクローバーを取った・・・

「あれ、見えない・・・」

さっきまで見えていた妖精たちが見えなくなり、

普通の泉の景色が、そこにあった。


そして、彼はまた、四つ葉のクローバーを、私の頭の上に乗せた。

「あっ、見える」

さっきと同じ、妖精たちが、そこにはいた。


私は彼に訪ねた。

「どういう事なの?」

「四つ葉のクローバーは、この世界と妖精の世界を結ぶスイッチ。

普段は隔離されているが、四つ葉のクローバーを乗せると、繋がるんだ」

彼は丁寧に、そして親切に答えてくれた・・・


「でも、君は乗せてないよね、クローバー」

「それはね・・・」

「うん・・・」

「僕自身が、妖精だからだよ」

私は、冗談と思っていた。

でも、彼はそれっきり、何も言わなかった。


しかし、2学期のはじめから、彼は学校に来なくなった。

探しても、見つからないし、他のみんなも知らないという。


しばらくして、あの時彼からもらった四つ葉のクローバーを思いだした。

そして、頭の上に乗せてみた。


すると・・・彼が現れた。

「久しぶり」

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四つ葉のクローバー 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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