師匠と弟子の不思議な関係

紫桜 黄花

序章


「弟子にして下さい!」


 そう言って出てきた目の前の少年。いきなり目の前に来たと思ったら、まさかの発言。

「えっと・・・、悪いけど、弟子は取らない主義だから他を当たってみて」

 今日の天気は雨。少年は何故か傘をさしていない。

「いやです。弟子にして下さい」

 どんどん濡れていく小さい子どもを置いて帰るには気が引ける。

 ま、まさか無言の威圧!?



 成り行きで弟子になった少年。少年の名をセルといった。

 日々教える鍛練等にセルは付いてくる。物覚えが良すぎて師匠の僕は毎日びくびくしている。

 但し、寝起きの悪いセルを見るのが毎日楽しみで飽きない。

 可愛いなぁ。あ!振り向いた!そんなところも可愛い!

「師匠」

「なに?」

「心の声、駄々漏れです」

「仕方ない、可愛いものは可愛いんだから」

納得いかないのか頬を膨らませている。そんなのも可愛いと心の中で呟く。


結果:弟子セルは可愛い





 

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