第6話 地縛霊その2


 大学2年生のとき、アルバイト先で知り合った子たちと、よくつるんでいた。

ほぼ毎日一緒に居たかもしれない・・・。


 大学→夕方からアルバイト→みんなで晩御飯食べに行く→ゲーセン→カラオケ→帰宅・・・毎日の日課が大体こんな感じとなっていた。


 そんなある日、友達の1人が【霊が見たい】と言い出した。

私は、反対した・・・。きっとロクなことにならないと思ったからだ!


 だが、私以外の4人が賛成した。多数決により、私の反対は却下された。

その4人の中で、霊が見たいと言った人物は、高校時代に、怖いものなしのツワモノで伝説を築いてた人物で有名な人だった。

 相手が武器を持ったヤクザでも無敗の人で、相手がどんな大人数でも、無敵を誇る魔人みたいな人だった(苦笑)


そんな人なら、もしかしたら、霊が逃げていくかもしれない?とあわい期待を胸に【霊が必ず出る】と言われるスポットへ向かった。


全員の車でいくわけにも行かず、4人は車を友達(魔人)の家の前に置いて、魔人(笑)のワンボックスカーに5人乗って移動を開始した。


魔人が運転手で、助手席に友人1人、私は、後席の真ん中に座った。両脇に友人が左右に1人ずつ、計5人だ。


時刻は夜中の2時半頃だろうか・・・。

地元のとある踏切に居た。

時間にして30分ほど、その場所に居た。


車内でタバコをふかし、ドリンクを飲みながら、雑談していた。


そして、何も起こらなかった・・・?


「俺に恐れをなして、幽霊も現れねーし!帰るべ」魔人がそんなことを言ったとき!!


ワンボックスカーの骨組みというべき場所にしがみつく血まみれの女の子が居た!

運転席のシートベルトのあたりだ。


血まみれの女の子が、「ねぇ?遊ぼ・・・」そう言った刹那・・・

魔人が「ぎゃああああああああああ!!!」と叫んだ。


私には声は聴こえてないが、ハッキリとその姿が見えた。

両脇に居た友人は一瞬だけ見えたそうです。

助手席の子は魔人が影になって見えなかったそうです。


声は、魔人だけが、そう聴こえたそうです。


魔人はガタガタと震え、ハンドルを握り締めて離さない、物凄い力で、4人がかりで、魔人を運転席が引きずり降ろした。助手席の友人が運転を変わり、魔人の家に送り届けた。

私たち4人も、各自、自分の車に乗って帰路についた。


翌日以降、誰も魔人と会っておらず、私たち4人には身体的な異変も無かったが、魔人だけ体調を崩していた。


心配になって、様子見を見に行ったが、もはや魔人の姿はなく、まるで借りてきた猫のように、ガタガタと震えながら、布団に包まっていた。

「怖い・・・怖い・・・」とずっと呟いていた。


1週間経過しても一歩も外には出ず、ずっと布団の中でガタガタと包まっていたそうです。


その後、魔人がどうなったのか・・・誰も知りません。




ね?だから、霊が見たいなんて、軽々しく言ったらダメなんですよ(滝汗)











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