第4話 幽霊
高校生から大学生になり、車を運転することが出来るようになった私。
アルバイトから帰る途中、家の近くで、横断する人が居ました。
とても動きが遅い女の人で、「早く通り過ぎてくれないかなぁ・・・」そんな風に思っていました。
ところが、いつまで経っても、私の目の前を通り過ぎません・・・動いてはいるのに、道路の端から進まないのです。「え?」って思って、目をゴシゴシしたのですが、女の人は自転車に乗っているので、10秒もあればで通り過ぎるはずなのに、私の目の前で、自転車をこいでいるのです。
1分・・・2分・・・と過ぎました。
よ~く見てみると、その女性は、足がありませんでした。
「ぎゃっ!」って思いました。足がないのに、ペダルは回っています。怖いです。
自転車に乗ってます。でも進みません。私はどうしたら、いいんでしょうか?そう思いました。
私の中で早く帰りたい、ただただ、そう思いました。
私は、車のハイビームにしました。
そしたら、女性の霊がすぅ~~~と消えました。
まるでそこに何も無かったかのような景色になりました。
すぐに家に帰り、母親にこう言いました。
「すぐそこで女の人の幽霊見たよ!」って・・・。
すると母親は、「どんな人か分かる?」と聞いて来ました。
「分かるよ!はっきりと見えたからね!!」と私は言いました。
容姿から、服装、おおよその年齢・・・全てを母親に伝えたところ、その寸分違わず情報通りの人がその日の朝、近くのマンションから飛び降り自殺した人だったのです。
それを知ったあと、自分が早く帰りたいがために、ハイビームにしたのが、正直、その女性に少し悪い気がしてしまいました(涙)
でも、ハイビームにしなかったら、その女性の幽霊は、永久に消えなかったのかと思うと、とても恐怖でした(泣)
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