ドッペルゲンガー

自由が丘駅で友達を見掛けたがスルーされた。

1ヶ月後、飲み会で彼にその話をしたら「その時期は出張で茨城に行っていたので人違いかドッペルゲンガーだな」と笑われた。

そのドッペルゲンガーはいつもの彼とは服装の雰囲気が違った。その服のイラストを手元のナプキンに描いてみせると彼は驚いた顔を見せた。


「それ、1年前に死んだ親父だ」


彼が生まれる前、彼のお母さんとよく自由が丘でデートしていたそうだ。その頃に撮ったという写真で親父が着ていた服とよく似ている、と。

過去の亡霊であった。

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小さな話 タチバナエレキ @t2bn_3

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