YES
勝利だギューちゃん
第1話
朝から雨が降っている・・・
ここ数日、降り続いている・・・
梅雨の時期は過ぎた・・・台風にはまだ早い・・・
ならこの雨は何なのか?
涙雨か・・・それとも・・・
天国というのは、本当にあるのか・・・
もしあるなら、君は何を思う・・・
そして、問いたい・・・
『後悔はないか・・・』
「出かけてきます」
母にそれだけ言うと、返事も待たずに外へ出る・・・
傘を差して、歩く・・・
大雨洪水警報が発令されているようだ・・・
自販機で、ミルクティーを買い、近所の公園に行く・・・
当たり前だが、誰もいない・・・
ある一人を除いては・・・
(久しぶりだね・・・)
(ああ・・・)
(元気ないね・・・)
(わかるだろ・・・)
(名は体を表す)
(何が言いたい)
(君の名前は?)
(知ってるだろ・・・)
(いいから応えて・・・)
(正(ただし)、出雲正だよ・・・)
(そうだよね)
(何が言いたい)
(今の君は正しい事をしてる?)
(それは、周りが判断することだ)
(私から見れば、君は正しいことをしていないね)
(・・・だろうな・・・)
(懐かしいね・・・)
(何がだ・・・)
(以前、私が君に訊いたこと覚えてる?)
(『君にとって、成功者とは何か?』】
(その通り、その時、君はなんて答えた?】
(『自分が死んだ時に、あなたはあなたに生れて幸せでしたか?と訊かれた時、
YESと答えられる人のこと』)
(そうだね・・・)
(それが何か?)
(もし、今君が死んだら、その問いにYESと答えられる?)
(無理だろうな・・・)
(私もそう思うよ・・・)
(相変わらずだね・・・)
(でもね・・・私は君の考え方に感動したの・・・)
(本当に・・・?)
(だから、悔いのないように、精一杯残りの時間を生きた)
(凄かったよね・・・)
(だから、私は自分の人生に満足している)
(本当に?)
(だから後悔はない。自分に生れて幸せだったよ・・・)
手を差し伸べられた・・・
(さあ、どうする?私の手を取り、こっちの世界に来るか・・・)
(それと?)
(手を取らずに、これからも強く生きていくか?君次第・・・)
(二者択一か・・・)
(さあ。どうする?)
考えるまでもなかった・・・
(さすが、私の好きになった男の子だね。)
(うそだろ?)
(鈍感!)
彼女はもういない・・・
いや、見えないだけで、そばで見守っていてくれる。
僕は1人じゃない。
名前のように、正しく生きて行こう・・・
いつか本当に再会した時に、恥ずかしくないように・・・
YES 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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