霧
濃霧の中を歩いてみたくなる。
真っ白な世界の中に、私が夢見る幻想の世界を見つけることが出来たら――なんて、朝起きて窓の外を深い霧が覆っていたら、そんな事を考えてしまう。
濃霧が私に向かって手招きしてる。
私はそれに着いて行ってみたくなって駆け出すけれど、もう少しで辿りつくぞってところで霧は晴れてしまう。
私は濃霧の向こう側に飛び込んでみたいんだ。
霧の中で手招いている真っ白い少年が、私に向かって「来て、来て」って訴えてくるから。
私がその少年の話をすると、みんな怖がる。
きっとそれは幽霊だって。
別に私は彼が幽霊だって構わない。
それが真実なら、この目で視たいの。
彼がどうして私を呼んでいるのか知りたいの。
それが、幻想を愛する私の習性なんだもの。
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