PLANNERS HIGH -プランナーズ・ハイ-

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第1話 エピローグ

 人間の鼓動はこんなにも激しくうるさく聞こえるものなんだと実感した。

 鼓動の音が相手にまで聞こえてしまうんではないかと思うと照れくさくなる。

 そもそも、こんなに鼓動が昂っていたらうまく話せるのかと心配になる。

 心配すればするほど更に心臓が高鳴る。


 それでもと思い、男は向かい合った二人の男性を見つめる。

 二人の男性は、ペンとバインダーを持ち眼鏡越しに不安そうな表情の彼を見つめる。

「本日は、面接にお越しいただきありがとうございます。

 それでは、早速ではございますがお名前と経歴を端的にお願いいたします」

 そうここは、大企業の面接会場。

 ここで幾人かは、苦渋し悔し涙を流し、

 ここで幾人かは、勝利の美酒に酔いしれ嬉し涙を流した。

「はい、私は相模照さがみ てると申します。

 櫻庭さくらばテクノロジー専門学校西日本校、マルチメディア学科ゲームクリエイション専攻で勉学に励み、来年の3月には卒業する見込みです。

 本日は、私のような者にこのような場を設けていただきありがとうございます」

 彼、相模照は深々と頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそ東京まで遠路はるばるご足労いただきありがとうございます。

 私、弊社、人事部部長の木下と申します。

 改めて、本日はよろしくお願いします」

 眼鏡をかけた男性社員の片方はそう名乗った。

 続いて、隣に腰かけた眼鏡の男性も人事部の田中と 名乗りお辞儀をした。

 AAA級タイトルを開発する企業なのに、面接はゲームクリエイターの方ではなく人事部で固めて、意外に普通の面接だな。と照は、思い更けていた。

「さて、弊社では事前にエントリーシートという形で自己PRと志望動機を記入していただきました。

 当、面接ではエントリーシートの内容を中心に進めていきたいと思います」

「はい!」

「それでは始めに、エントリーシートに記入されていた希望職種にプランナーの欄にチェックしていますが、なぜプランナーを希望しているのでしょうか?

 また、プランナーについてどう考えていますか?」

「はい。その話をしますとお時間をいただきますがよろしいでしょうか?」

「はい、どうぞお願いします」

「はい、では私にとってプランナーとは――


 そうして彼、プランナー志望の相模照の面接が始まった。

 照の面接は、照にとって苦渋の結果になるか満足の結果になるかはいまは誰にもわからない。

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