ゲンロンＳＦ講座で発表されたバージョンを、読ませていただきました。

あれと比較してテンポが悪くなっているのが気になります。
　ゲンロンバージョンは、とにかくテンポが良かった。
　ついこないだまで、母親がソープ嬢だとかいう話をしていたのに、量子コンピュータできるや否や超スピードで話が転がり、あれよあれよという間に「太陽を操って人類絶滅を図る神　ｖｓ　ブラックホールで対抗する女子高生」になってしまう。
　そして、このセリフが出る。
「神はブラックホールに干渉できないよ！　特異点を内包しているから。この世の法則を超えたものに、神は無力！」
　素晴らしいカタルシスのあるセリフです。

　細かい説明なんて抜きで、巨大な雪球が大きくなりながら転がり落ち、雪球は地球より大きくなってしまう。みたいな魅力がありました。

　それと比較して、こっちのバージョンは鈍重であり、鈍重さを補う新しい魅力がないように思えます。