2001/7/5(昼寝)
テスト終了後か、土曜日。
授業は午前中で終わり、休み明けに保健のノートを提出するよう言われた。
実際に通っている高校で、担任の先生も同じだった。
提出のノートは、二か所必ずやっておかなければならないところがあったが、そこは授業中にやった創作の遊びのようなもので。
そのとき授業を休んでいた「私」は内容すらおぼろで、何をするのか訊くため、職員室へ。
外は夜の暗さで、雨も降りそうだった。
何故か出口は現実とは違っていて、若い警備員さんに連れられて、どうにかたどり着く。
入ってはいけないようで、入り口付近には結構人がいた。
こんな時間なのに? と、思ったのを覚えている。
先生たちは忙しそうで、片手に上履きと靴下を持って廊下から職員室を伺ったりしたけど、担任の先生に声をかけることはできなかった。
そのうち、もうどうでもよくなって帰ろうと校舎入り口に降りたものの、何故かそのあたりに腰かけてぼーっとしている。
何人かに声をかけられたりして。割と人はいた。
靴下を履こうとしたら、一つはのびている上に濡れていて、もう一つはナイロン地でチャック付き。
「あ、それあたしのや」
「そうやんなあ。ごめんごめん。…あれ、じゃあ…?」
「ごめんな、靴下。はい、これ」
「へ?」
渡されたのは小銭。
もらう謂れもなくて返すけど、返された方は困った顔をしていた。
「購買にでも買いに行くか…って閉まっとーやん」と考えていて、ふっと目を逸らすと、男子と目が合った。
「あ。(名字)マコト」
お兄さんがいて、確かお兄さんの方が有名。
「私」はどちらかと面識があるわけではなくて、つい見かけて芸能人を見かけたようなノリでフルネームを言ってしまっただけ、のような感じ。
「…どうも」
「すごい、ほんまに切れ長の眼。あ、でもちょっと丸っこい」
「(口調が)ぎこちないよ」
本人は切れ長の眼を嫌ってて、だからお世辞とでも思われたみたいだけど、「私」は本気で言ったから、結構ショックだった。
突然視界にボードが入って来た。
リングに通されたトランプが四枚、かかっていた。
「買わへん?」
「え、でも…何コレ?」
「ま、いいから」
マコトと目が合う。マコト、笑ったようだった。
「えと、じゃあこれ(J)と…」
横から女子が入ってくる。
「あ、コレ(Q)」
「私」は内心焦って、
『ジョーカー』
二人の声が揃った。
売っている人は少し笑って、Qのカードを女の子に渡した。
「はい、もう9枚買ったやろ? 丁度良かったな。どうぞ」
最後は「私」に向かって。
女の子は、トランプを受け取るとすぐにどこかに行った。
「私」は、カードを受け取って戸惑う。
「お金、は…」
女の子は払ってなかった。
売り手は、笑った。
世界が変わる。
明るいディズニーのアリス調の世界。細いレンガ造りとのところ。空の上。
そこで目が覚めて「ああ、またこの夢か」と思った。
でも、こんな夢、見た覚えはない。
ここからは創ったものかもしれない。
同じ世界で、マコトとカードに描かれたジョーカーが何か喋っている。
これらをつくったのは、マコト。
そして「私」は覚えていないけど、カードを売っていたのは「ジョーカー」。
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