第5話 須磨子のたくらみ3
許さない!あの女!
昨日は臨時総会が開かれた。
着物を着て出ようかしらん?と思ったけど、男性陣はほぼ出ないやろうし、オババばっかりやから・・・・おめかししてもしゃあないわ。
でも、念のため念入りに化粧はした。
この歳になっても、よく肌を褒められる。
幸せそうなお顔してはる、そう言われたこともある。
真っ白の白粉に真っ赤な口紅。これが私のスタイル。
いざ出席したら、思った以上に出席している。
一体どういう事やのん?私が皆に声かけたからやけど、声かけてへん住人も出てるやないの、と思っていたら、あの女も声かけて何人か引っ張ってきたらしい。
それも男ばっかり連れてきてるやないの!
しかも何か言う度に、男が麗子をかばってるやないの!
悔しい・・・・ちょっと若いから、って。
それでももう50近い女やないの、世間でいうたら立派な「おばさん」
え?私?私の事はええの。私はまだまだイケてるから。それに私があの年齢の頃はもっとイケてたわ。ちょうど「おんな盛り」や。
あの女、「私は値下げに反対です」って抜かしやがって。
結局、値下げの夢叶わず。
定期清掃や排水管の清掃も続けることになった。
そんなもん、せんでもええわ。
しゃしゃり出て来て、あの出しゃばり女め!
あの女の素性をちょっと調べたろ。
隣の住人やったら何か知ってるやろ、早速明日から調査開始や。
私はなぁ、この歳でもパソコンの扱いは得意やねん。
フェイスブックもやってるねんで。500人以上と繋がってるんや。
私が発信したら500人超えてる読者に読んでもらえるんや。
毎日、日記代わりに使ってる。いざという時の安否確認に使えるし。
フェイスブックでは別の自分になれるから好き。
でたらめでも何でも、誰にも迷惑かけてへん。
あの女の事も色々書いたろと思ってる。
楽しみ。あの女が目ざわりや。追い出したる!
理事長も情けない、もっとしっかり言うてくれるかと思ったのに、麗子が引っ張って来たオッサン連中に色々言われて結局言いなりやないの。
悔しい。あの女、気に入らんわ。
狂気の老人 @blue-rose
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。狂気の老人の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます