第105話
喫茶店を出ると、外はかなり賑わっていた。
このお祭りは、商店街の人が主催で、お店の前には、出店が並んでいる。
「賑やかだね」
「うん」
「私、この熱気が好きだな」
「そうなの?」
「うん。
なんか、こうワクワクするの」
先輩は、いつになく楽しそうだ。
「私の手、絶対に放さないでね?」
「うん」
僕は、みさき先輩の手をギュッと握りしめた。
僕は、手に汗をかいている。
先輩、不快に感じてないかな?
「もしかして、緊張している?」
「うん」
「緊張しなくて良いよ」
「そんな事、言われても……」
美人と手を繋いで緊張しない男は居ないと思う。
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