第85話

「もしさ……

 ドナーが、見つかったら一番最初に彼方君の顔が見たいな」



僕の顔が見たい?

それは、ちょっと嫌だな……

折角仲良くなれたのに、嫌われるのは嫌だ。



「どうしたの?

 ダメかな?」



先輩は、そう言って僕の頬に手を当てた。



「震えてるよ……?

 大丈夫?」


「きっと、コイツ照れてるんですよ」



池宮君がフォローを入れてくれた。



「照れる?」


「俺もコイツも、かっこいい方じゃないので……」


「そんなの、気にしなくて良いよ。

 私は、顔で人を判断したりしない」


「お腹もブヨブヨだよ」



僕は、補足を入れた。

僕は、何を言っているんだろう。



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