第81話

「そうなんすか?」



池宮君は、僕の方を見た。

なんだか、照れる……



「そうなんだよー

 私が、話しかけても数日無視してたんだよー

 私、悔しくて悲しくて寂しくて毎晩、枕を涙で濡らしたんだからー」


「ご、ごめんなさい」



僕は、思わず謝ってしまった。



「何がごめんなの?」


「その、泣かしてしまったみたいで……」


「いいの!

 こうやって話をしてくれるだけで、私は嬉しいよ!」


「そっか……」


「彼方君は……

 嬉しくない……?

 私と、その、お話が出来て……」


「う、嬉しいです」


「なら、良かった!

 これからも、よろしくお願いね」


「う、うん」



先輩は、嬉しそうに笑った。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る