第82話

「飯だー

 飯を食うぞー」



みさき先輩は、そう言って、僕の頭を撫でた。

頭をなでられるのって、なんか照れくさいね。


僕は、思わず笑ってしまった。



「お前、そんな顔が出来るんだな」



池宮君が、ぼそりと呟いた。



「そんな、顔ってどんな顔?」



みさき先輩が、池宮君に尋ねた。



「笑顔」


「えー!

 彼方君、笑ってるの?

 私も彼方君の笑顔見てみたい!」



みさき先輩は、そう言って頬を膨らませた。



「ねぇ!

 どんな顔?

 池宮君、私に解るように説明して!」


「え……?」



池宮君は、少し困ってるようだ……



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