第58話

「あのー

 そこに居るのは、彼方君ですかー?」



みさき先輩が、俺の名前を呼んだ。



「はい、そうですよー」



僕は、その返事に答えた。



「一緒にお弁当を食べてもいい?」


「うん」



みさき先輩は、ニッコリと微笑むと僕の隣にちょこんと座った。



「彼方君は、何食べてるの?」


「アンパン」


「美味しい?」


「うん」


「みさき先輩は、お弁当ですか?」


「そうだよー」


「もしかして、みさき先輩の手作りですか?」


「違うよー

 作れる訳ないじゃん」



あ、聞いてはいけない事を聞いてしまった気がする……

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