第53話
「お前は、化け物だ……
人間に恋をして受け入れられうはずもなかろう?」
透が、僕を責める。
「わかってるよ。
僕は、恋をしない……」
そう僕は、化け物だ。
少しでも好意を寄せた女の子は、僕に恐怖する。
僕は、特になにもしているわけでない。
女の子は、僕に見られる事を嫌がる。
女の子は、僕の声が耳に入る事を嫌がる。
女の子は、僕の姿が視界に入る事を嫌がる。
ねぇ?
僕は、どうすればいいの?
そんなに僕に見られる事が嫌なのなら……
僕の目を誰かにあげる。
それで、誰かが笑ってくれるなら……
僕の耳を誰かにあげる。
それで、誰かが幸せになるのなら……
僕は、全てを捨てる。
それで、誰かが幸せになってくれるなら……
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