05 僕と葛藤

第51話

空を眺めていると、夜はあっという間にやってきた。

雲の流れを見るのは飽きない。

地味な趣味かもしれないけれど……

僕の趣味は、雲の流れを見る事だ。



「彼方ちゃん、御飯よー」



お婆ちゃんのその声で僕は、現実に戻された。

僕は、階段を下りて茶の間に向かった。



「あれ?

 今日は、何かあったの?」



今夜の晩御飯は、ステーキだった。



「お肉が安かったから」



お婆ちゃんが笑うとただでさえ細い目がさらに細くなった。

僕は、肉が好きだ。

そして、野菜が嫌い……


でも、食べるように努力はしている。

お婆ちゃんは、歳のせいか、お肉はそんなに食べない。

肉より魚料理の方が多い。


肉系の食べ物があったとしても、ロールキャベツやハンバーグ位だ。

そして、今回の様にステーキの場合、婆ちゃんだけは煮魚を食べている。


いいのかな?

僕だけ贅沢して……



「彼方ちゃん、早く食べないとステーキ冷めちゃうよ」


「はい」



僕は、返事をするとステーキを食べ始めた。


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