第39話

どうしよう?

黙っていてもこれじゃ、嫌われる。


勇気を出さなくちゃ……


勇気を出して、声を出さなくちゃ……



 「お前は、化け物だ……」

 

 「わかってるよ」



透が僕の中で小さく呟いた。

そう僕は、化け物なんだ。

姿も心も声も全てが、化け物。

認めなくちゃ。



「ねぇ、どうして私とお話してくれないの?

 もしかして、私の事嫌い?」



違う。

僕が、話すと君が僕を嫌いになるんだ。


でも……

いいや。


嫌われるのも慣れっこ。

この人は、僕が話そうが話さないでいようが、どちらにせよ傷つくんだ。

なら、話してみよう。



嫌われてもしかたがない。

もう少し、僕はこの手の感触を感じていたいけど……

仕方がない。


僕は、勇気を振り絞って声を出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る