第32話

僕は、首を傾げた。



「前のヤツに頼んで、席を替わってもらった。

 これで、花瓶を置かれたり等のイジメは大分減るだろう」



心配掛けてしまったのかな……

ここは、お礼を言うべきなのかな?

よし、勇気を出してお礼を言おう。



「ありがとう」


「気にするな♪♪」



池宮君は、そう言ってニッコリと笑った。

池宮君は、やっぱ良い人だ。

僕は、心からそう思った。

遠くの方で、岡村が舌打ちをしていたけど、気にしない。


僕は、これから始まる授業に集中する事にした。


授業は終わり、放課後がやってきた。


僕は、池宮君に軽く挨拶をすると家に向かった。


家に向かう途中、僕は、岡村に声をかけられた。



「おい、化け物!

 昼間はよくもやってくれたな!」



僕は、何もしていない。

君が、勝手に暴れてただけじゃないか……!

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