第12話

「日向が、こっちに来た!」


「うわ、キモいんだよ!

 こっちくんな!」



僕は、そう言われて女子に足で蹴られた。



「痛い……」



僕は、思わず声を出してしまった。



「だから喋るな!

 お前の声はキモいんだよ!」



僕の声が、キモい事は、僕が一番わかっている。

だから、喋りたくなかったんだ……

それを喋らしたのはお前じゃないか!



「なんだ?

 その目は!」



どうやら僕は、その人の事を睨んでいたらしい。



「やるのか?」



そいつは、腕を大きく振り上げた。



「やめろよ」



そう言って1人の男子が、そいつの腕を掴んだ。



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