38.遁走へ(2017.1.21ブロマガに公開したものをコピペ)
世界は均質化を強いられた
いま・ここはあらゆる時間と場所へ
そしてあらゆる自己へまで至り切った
もはやあそこもここも同じなので
ここに立っている私ももう
誰でもあったので
全ては等しくそのため価値が喪失してあるので
私が
ここに
いる
という事態は碇を断って
あちらにそちらにそこここに
浮草となって漂いはじめる
無価値のあらゆるものなので
なにものにも関心を集める術がない
表情がなくなる
あるいは
どんな感情も無視して千の表情が躍る
いま・ここで私は思う
いまもここも私も思うということも区別できない
灰色の世界
あらゆる連関はほどけた
結び目を存在といってみることが許されるなら
結び目はどこにもなくなった
どこにも結び目はなくなったので
どこにでもいける
どこにでもあれると言って
言っている私が均質化していく
均質化していく世界へ私という領域を侵犯し
伸び広がって私へ
世界という領域が侵犯してくる
もうどこへでもいけるので
碇ははずれたので
どこにも重要なものがなくなったので
ただ一種の草本から成る地平の果てまでつづく草原なので
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