7.後悔の軌跡
今またひとつの後悔がなる
そしてそれに気をとられ
疎かにする先ほどまでの現在を
また後悔している
私には遠い現在が
いつも私の脇を抜けていく
今またひとつの後悔がなる
後悔から後悔へと跳ぶ人生だ
陽は青いマントを摺って
黒い幕を引き寄せる
ああ今夜は新月か
夜の最中にひとり立ち
星の描く円を見る
後悔のこの連続を
地球は知らず回っている
私の位置は私の意思に無頓着
刻一刻とずれていく
うしろ髪ひかれる思いで今を見て
つぎつぎにくる現在に
なに思うべきかを知らぬまま
その私を乗せて地球はまわる
まわる地球は陽をまわり
まわる陽もまた銀河を廻る
廻る銀河も宇宙を漂い
ただの一刻もとどまらない
星がひとつ流れて消える
消えるまでの一線は
光った後悔その軌跡
ここにひとつの後悔があり
それはひとつの後悔だ
たったひとつの後悔だ
どこへ行くでない航海の
白波たった航跡だ
地球はまわり陽にまわり
陽もまた廻り銀河も廻る
ああもう戻れることのない一分一秒
後悔 後悔 後悔の軌跡
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