表裏《リバース》語彙大富豪
@XK96
第1話 表/裏
電脳の空に、電脳の青い鳥が飛びかう。
電脳の並木道に植えられた、電脳の木々が電脳の風に揺れる。
ここは
ここでは現実の肉体に分け隔てなく、人々がVRコミュニケーションやVRショッピング、VRレジャーやVRシアターなどを楽しんでいる。
もちろん、VRゲームもだ。
現在、最も流行しているVRゲームは…。
【
…
辺りには芝生が繁っており、数メートル間隔でベンチや立木が植えられている。ここは
「語彙が決まりましたよ、“ume”さん!」
白色の箱を組み合わせたようなロボと、
積み木でできたネズミが数メートル離れた位置で対峙している。
…今、声を発したのは白色の箱ロボ。名を“touhu”と呼ぶ。
「さぁ、何を繰り出す?」
“ume”と呼ばれたネズミは二本の後ろ足と尻尾でバランスをとりながら、盾を構えた。
…盾には“雷”と書かれている。
「“雷”に対して、“土”で攻撃!」
“touhu”が宣言すると、どこからともなく大量の土塊が次々に飛来し盾に激しくぶつかる!
「なるほど、“雷”を吸収するつもりか。いいチョイスだけど…」“ume”は衝撃に耐える。
【
互いに語彙がかかれた盾を三枚持ちより、
その盾にかかれた語彙に勝つ語彙をぶつけて、
勝敗を決めるゲームである。
上の場合は“雷”が“土”に弱いという古の解釈により、“土”の勝ちである。しかし。
「…
“振動”によって、“土”は液状化し強度が下がる!」
“ume”の宣言と共に盾が反転し、“振動”と書かれた面に変わる!
すると!押し寄せていた土塊が向きを変えて、“touhu”に襲いかかる!「うっ!ぐあああ!!」“touhu”は土塊に飲まれる!
盾の表側が敗北した場合、今度は裏側にかかれた語彙で勝敗を決める事になるのだ。
これが【
上の場合は“ume”の語った通り、“振動”が“土”に勝利した事で、“ume”に1ポイント加算される。
実は“ume”は既に2ポイント得ていた為、合計3ポイントとなり“ume”の勝利でゲームセットとなった。
「“touhu”君、もう大会は明日だろ?
ちょっと語彙のチョイスが甘いんじゃない?」
“ume”は呆れながらも土に埋まった“touhu”を助け出す。
「…もう一戦。もう一戦すれば、何か掴める気が…」“touhu”の闘志は折れていなかった。
「…しょうがない、もう一戦して、身の程をわからせてあげよう。」“ume”は再び“touhu”と距離をとって、ゲームスタートを宣言する。
…2戦目が、始まる!
表裏《リバース》語彙大富豪 @XK96
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