天使ちゃん、悪魔くん。

ぶらうにー

第1話  進路

「なあなあ、お前は将来どう生きるんだ?」

 男の子が尋ねました。

「わたし? わたしはもう決めたよ」

 女の子が言いました。 

「へえ、どう生きるんだ?」

「わたしは良い事をた~くさんするの」

 女の子は迷うことなく言いました。

「良い事? お前そんなめんどくさくてかったるい事して生きるのかよ」 

 男の子は不思議そうな顔をしました。

「そういうあなたは?」

 今度は女の子が尋ねました。

「オレか? オレは悪い事をして生きるんだ!」

 男の子も迷うことなく言いました。

「えー! あなた悪いことして生きるの? かっこわるーい!」

 女の子はびっくりしました。

「かっこわるいもんか、 楽してうまいもん食べたり欲しいもの手に入れたり、その方がいいじゃんか」

「あなたってかわいそうね」

女の子は憐れみを込めて言いました。

「何がかわいそうなんだよ」

男の子はだんだんイライラしてきました。

「別にいいわ、あなたが決めた事にわたし興味ないし、ばいばい」

女の子は帰ろうとしました。

「待てよ、お前の名前教えろよ」

「天使、わたしの名前は天使、あなたの名前は?」

「オレか? 悪魔だ、オレの名前は悪魔、かっこいいだろ?」

「ぜーんぜん、じゃあね」

 天使ちゃんは行ってしまいました。

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