私が出会った女の子
@noah0608
第1話
旭ヶ丘高校の入学式の日、私は桜の木の下に佇む一人の少女に目を奪われた。
「あ、あの、何してるんですか?」
私は何を思ったのか彼女に話しかけていた。
「桜を見ていたんです。私、桜好きなので。」
彼女は振り向き私にそう言い「私は雲雀桜。あなたは?」
名前を聞かれると思わなかった私は驚き少しの間を開け「わ、私は雛川百合といいます。急に話しかけてすみません。」
「気にしないで下さい。それより雛川さんは旭ヶ丘高校の生徒ですよね?私もなんです。良ければ一緒に学校まで行きませんか?」
そう言われ私は初めて彼女が私と同じ制服を着ている事に気付いた。
「はい!私で良ければ!え〜と・・・」
「あぁ、私の事は桜って呼んで下さい。」
「はい!桜さん!じゃあ私の事は百合って呼んで下さいね!」
「ふふっ。分かりました、百合さん。ではそろそろ行きましょうか。」
そうして私たちはお互いに好きな食べ物、音楽、趣味など些細なことを話しながら学校への道を並んで歩いた。
会話の中で私たちは同じ1年生である事を知った。
「桜さんは大人びた雰囲気があったから年上だと思ってましたよ。びっくりです。」
私は桜さんを初めて見た時の印象を話した。すると
「私も百合さんは私より年下だと思ってましたよ。でも同じ高校の制服を着てて「あれ?」って思って。」
「それって私が子供みたいっていうことですか!?うぅ、私だって桜さんみたいに背が高ければ・・・」
私は気にしている事を言われ凹んだ。そんな私の様子を見てからかうように
「ふふっ。大丈夫です。百合さんはそのままが一番可愛いですよ。」などと言ってきた。
「か、可愛いだなんて。お世辞にしてもからかいすぎですよ!」
急に言われたのもあるが、桜さんの様な可愛い人に言われテンパってしまった。
「それを言うなら桜さんですよ!私、桜さんより可愛い人見たことないですよ!」
「いえ、からかってなんてませんよ。百合さんは本当に可愛いです。私なんかより。」
「えっ?」
桜さんは真剣な顔で私を見ながらそう言った。
「えっ?それって?」
私は桜さんの真剣な顔に驚き聞き返すと
「ふふっ。可愛い」
先程の様な真剣な顔をした桜さんは何処にと思う程の笑顔を浮かべていた桜さんがいた。
「やっぱりからかってたんじゃないですか!もう!」私は頬を膨らませる様に顔をそむけた。
「すみません、百合さんが可愛いのでついついからかってしまいました。許してくれませんか?」
「むぅー。もうやめて下さいね!」
「はい。やっぱり可愛いなぁ。」
反省をしてない模様。
そんな事をしてるうちに私たちが入学する旭ヶ丘高校に着いた。
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