2ページ
「やっぱり幸せ太りじゃん」
「そう言うのじゃないって」
だって運動量が前に比べて減ったんだろ?
「多分、彼女と一緒にパンケーキとかパフェとか食べに行っているからかしらね」
「でも元々甘いもの好きじゃんか。今更それくらいで」
「いや、若い子の甘いものへの食欲って凄いわよ。見た目はパーフェクトオネェでも中身は普通の三十代男だからね、ちょっときついものがあるわよ。それに運動も「幸せ太りじゃねぇかよ」
そう突っ込むとミケは目を細めて笑った。
いいじゃないの、少しくらい太ったってさ。大好きな人と美味しいものを一緒に食べて美味しいねって言えて、また相手の為に店を探してってとても素敵なことじゃない? そんな素敵なことが詰まってふっくらするくらいならいいじゃん。
「ミケ、イツキちゃんに会えてよかったな」
「え? どうしたのよ、急に」
気持ち悪いわね、と続けてミケが小突く。
気持ち悪くてもいいさ、ミケが好きな人と一緒になれて笑顔でいられているのなら。俺だってお前と何年一緒に居ると思ってんだよ。幸せくらい願ったっていいだろ。
「なんでもない。イツキちゃんが行動的な子で良かったなって思っただけ」
「あ、もっと太ればいいのにって思ったんでしょ? これからはちゃんと締めていきますぅ」
「もっと太ればいいのに」
「乙女に向かって失礼ね」
「どこにいるんだよ」
「目の前にいるでしょーが!」
「本物の乙女に失礼だわ」
「あんたがねっ!」
なんてね。これからもこいつが笑顔で入れる日々が続くように、よろしく頼むよ、イツキちゃん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます