【アニメ】『探偵はもう、死んでいる。』ヒロイン詐欺って後から登場するヒロインが魅力的じゃないと成立しないよね
2021年7月31日
夏アニメががスタートした早一ヵ月が経過。大体三話か四話くらい放送したことになり、今期放送の中でのお気に入り作品や見るのをやめた作品などが出てきた時期ではないでしょうか。
そんな自分も今期のアニメを楽しんでいまして、とくに『かげきしょうじょ!!』とかは3話で化けて今期トップクラスの面白さだし、質アニメ枠の『Sonny Boy』も考察アニメとして面白い(考察アニメというか、登場人物が考察していく内容でもあって二重の意味での考察アニメになっている)し、あとは前期からの継続の『不滅のあなたへ』も安定のクオリティで面白い。
個人的に『かげきしょうじょ!!』『Sonny Boy』『不滅のあなたへ』が今のところの推しアニメになっています。
そんな夏アニメですが、中にはそんなに面白くない……いや、盛り上がりに欠ける……いえ、見る人を選ぶような作品もありまして、残念ながら切るアニメもあります。
その今期の切るアニメにおいて、切る前に思ったことを発散してから切ろう、というのが今回の話。切ろうと思っているのがライトノベルを原作としたアニメ『探偵はもう、死んでいる。』です。
『探偵はもう、死んでいる。』
・公式ページ
https://tanmoshi-anime.jp/
・あらすじ
上空一万メートルを飛ぶ飛行機がハイジャックされた。少年・君塚君彦は探偵を名乗る謎の少女・シエスタから助手に任命され、コックピットへと向かう。そこではコウモリというコードネームを名乗る男が機長を人質に取っていた。コウモリは人質を開放するための条件としてシエスタに”飛行機を乗っ取った理由”を推理するよう要求する。
・ニコニコチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/tanmoshi-anime
さて、今期放送されているテレビアニメ『探偵はもう、死んでいる。』は、タイトル通り名探偵のシエスタが死んだことでお話が展開していく内容になっています。
アニメ第一話では主人公の少年が名探偵シエスタと出会い、彼女の助手役になるところからスタートし、大活躍ののち事件を解決(事件というか単なる異能力バトルではある)する内容。
初回は一時間スペシャルで、後半パートはまさにライトノベル的な青春ラブコメ風の話になっており、この一時間のエピソードにヒロインシエスタちゃんの魅力が凝縮されているといってもいいでしょう。
そして第一話ラストで、時間経過ののち探偵が死んだことが明かされるというクリフハンガーが用意されている具合。
で、当初自分は「死亡シーンないからミスリードとしてあとから再登場するんでしょ」と思っていましたが、続く第二話を見て本当に死んでいてある意味驚きました。
第二話から登場した新ヒロインは、もう明かしてしまうと心臓移植による記憶転移によってシエスタちゃんの記憶の断片を得ており、以降主人公の新たな相棒となる流れです。
そしてこの新ヒロインですが、まあ典型的なツンデレヒロインでして、割と面倒くさい性格をしていて若干ムカつきますね。
……そういえば昨今ツンデレヒロインって減りましたよね。十年前くらいはツンデレヒロインってメジャーでしたけど、近年見る機会が減ったような気がします。いや今のアニメでも一応ツンデレヒロインは出てきますけど、でもメインヒロインの枠だと逆にもう珍しいのかもしれない。思うにツンデレヒロイン全盛期以降では、ツンの部分を強調し過ぎてデレの要素がおざなりになってしまったのと、あとツンデレと相性がいいと勘違いしたのか暴力性が加えられてしまったことにより、ツンデレという属性がヒステリックでわがままで理不尽な面倒くさい女というキャラクターになってしまったのが、現在のツンデレ衰退化の要因なのではと個人的に分析しています。
そんな逆風な属性をもって登場した新ヒロインですから、やはり第一話のヒロインであるシエスタちゃんと比べるとどうしても魅力的に映らないのです。ましてはシエスタちゃんは問答無用でグイグイ引っ張っていくヒロインではありますが、しかしながら知的でおしとやかで、あと白髪で、しかも服の上からでもわかるほどスタイルがいいという、キャラクター性としてもデザインとしてもヒロイン力高めオーラが眩しい、まさに愛されるタイプの完璧ヒロイン像だったのです。見方によっては聖女的とすらあるくらい。
そのシエスタちゃんと比べると、どうしても新ヒロインはヒロイン力が大差で負けてしまっているという印象を抱かざるを得ないですね。
そして悪いことに、登場順も最悪だった。確かどこかで知ったのですが……ライトノベル作家さんの呟きだったのか、それとも編集者のアドバイスだったのか、はたまたネットで転がっている創作論だったのか、うろ覚えで申し訳ない。それによると「読者は最初に登場する女の子がすなわちメインヒロインだと認識する」という法則があるようです。
本当か? と最初は思いました。物語の最初に登場してないけどメインヒロインになっているキャラクターはいくらでもいると思いました。まあこの法則はつまるところ「重要人物の登場は早めにしろ」ということなのですがね。物語後半でそれまで一切登場しなかった重要人物が我が物顔で出てきたら、そりゃ「お前誰だよ?」となりますからね。そういう意味であれば実に的を射た創作論だと思います。
そしてこの「読者は最初に登場する女の子がすなわちメインヒロインだと認識する」という法則を、自分自身が強く実感した例がありまして、それが『テイルズオブゼスティリア』というゲーム。自分はゲームをプレイしておらずテレビアニメ版しか見ていませんが、ヒロインの炎上騒動の噂は耳にしています。
それによると、最初に登場したいかにもメインヒロインっぽい女の子キャラは序盤を過ぎると離脱し以降相棒的な新ヒロインと冒険する、みたいなものと認識しています。もちろんゲームの内容だけではなくプロモーション等で誤解を与えてしまったという要素もあって(実際ゲームの内容も酷いという話も聞いた)、実に複雑な炎上騒動だったと記憶しています。
自分はアニメ版しか見ていませんが、アニメの序盤を見る限り「やっぱりどう考えてもこの子メインヒロインだよなー」と思ったことを覚えています。
そういった経験からして「読者は最初に登場する女の子がすなわちメインヒロインだと認識する」という法則は実際にあるものだと感じました。
その法則のもとテレビアニメ『探偵はもう、死んでいる。』を見ると、第一話でこれだけヒロイン力高い魅力的な女の子を登場させておいて一話退場は解せない、というのが素直な気持ちでもあります。
別にヒロイン詐欺をやってもいいと思います。ヒロイン詐欺をしても作品として成立しているものもあるでしょう(咄嗟に成功例が出てこないですけど)。でもこういったヒロイン詐欺をやるのであれば、せめて最初の子の印象を上書きするくらいのハイレベルなキャラクターが新ヒロインを務めないとダメだと思います。
加えて第二話以降の話では、推理はガバガバだし(そもそも第一話の様子から推理ものとしての期待はしていませんがそれでも限度がある)、会話のやりとりも悪い意味で古臭いラノベ風だし(西尾維新あたりの癖のある会話劇に影響されて真似したけど劣化版にしかならなかったかのよう)で、正直見るのがキツイ……。第一話でも「シエスタちゃんの可愛さ目的で見れなくもない」感じでしたが、その肝心のシエスタちゃんが登場しないとなると、もはや視聴が苦痛でしかない。
『探偵はもう、死んでいる。』第二話で登場した新ヒロインがよければまだ視聴を続けられたかもしれませんが、現状では残念な内容になってしまっていると言わざるを得ないですね。
そんなこんなでテレビアニメ『探偵はもう、死んでいる。』に関しては、第一話だけが面白い(視聴できる)という作品でした。一応四話まで見ましたが、もういいかなって感じです。あとはアニメ感想のまとめサイト等をチェックしてシエスタちゃんが回想にて再登場したのならばその部分だけ見ようかと思いいます。
ということでテレビアニメ『探偵はもう、死んでいる。』のヒロインについて、いち視聴者として物申してみました。
ニコニコチャンネル『探偵はもう、死んでいる。』
https://ch.nicovideo.jp/tanmoshi-anime
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