【アニメ】『魔王学院の不適合者』を楽しんでいますが、それとは関係なく近年のアニメ作品から俺TUEEEについてなんとなく分類してみた

2020年8月29日





 現在テレビアニメ『魔王学院の不適合者』が放送されています。放送開始当初は「またクソラノベのアニメ化か……」と思いましたが、これが意外にも面白くて楽しんでいる自分がいます。自分は毎クール放送されたアニメの中から個人的なベスト5を選んでいますが、このままの調子で最終回を迎えれば普通にベスト5入りするかと思いますので、詳しい感想についてはそのときに語ります。



『魔王学院の不適合者』を視聴して思うのが、アノス様がカッコよすぎる点について。最強過ぎて最早清々しさを感じるほどですし、さらに俺様系のキャラで名言を乱発するなど、見ていて飽きがこないです。



 と、所謂「俺TUEEE」と呼ばれるジャンルではありますが、ふと思い返してみるとこれまで様々なパターンの俺TUEEE作品が登場したような気がします。そこで今回は、なんとなく独断と偏見で俺TUEEEを分類して個人的に考察を深めていき、メモ帳感覚でここに書いていきます。




 ちなみにですが今回の記事のタイトルが『魔王学院の不適合者』になっていますが、特段『魔王学院の不適合者』について語った記事ではありません。「俺TUEEEについて考えるきっかけになった」だけでタイトルをつけましたので、『魔王学院の不適合者』目当てに来られた方はこのままお戻りください。










 さて、「俺TUEEE」についてですが、まず一般的な定義から。



 オンライン百科事典「ニコニコ大百科」によると、



❝俺TUEEEEとは、勘違いであり厨二である。具体的には以下のことを表す。


1.対戦型ゲームやネットゲームにおいて他のプレイヤーを圧倒し、悦に入るような状態のこと。

2.漫画やラノベ等の創作物において主人公の強さや能力が超越していること。❞



 と記載されています。主に創作界隈で使われる意味は「2」の方になります。


 そして「2」の意味での記載は、



❝創作物における俺TUEEEE


上記から転じて、創作物において「完全無欠な最強主人公」や「一方的に力を誇示して戦う主人公」を差す言葉としても使われるようになった。所謂「厨設定」や「メアリー・スー」と同列の揶揄であるが、後者と違って一次創作が対象になることが多い。


一次二次に限らず、創作物における「最強設定の主人公」は中々扱いが難しいとされる。

あまりにも設定を強くし過ぎると「最初からお前が動けよ!」というツッコミが出たり、爽快感もクソも無い展開が出来上がってしまう可能性がある為、主人公の“最強”を強調しつつ、読んでいて面白い作品にするには色々な工夫が必要になってくるだろう。❞



 となっております。


 また同じくオンライン百科事典「ピクシブ百科事典」では小説家になろうについての記載があり、その項目では、



❝「異世界転生もの」や「VRMMOもの」で圧倒的に強い主人公が特にピンチに陥ることもなく並み居る敵を蹴散らし続け、周囲からも手放しに賞賛され、複数の異性から好意を寄せられるという作品が時たま見られる。

このような作品を揶揄して「俺TUEEE系小説」とジャンル付けをすることがある。❞



と書かれています。



 このニコニコ大百科とピクシブ百科事典の記事から「主人公が強すぎる」というのが一般的な「俺TUEEE」の定義になるかと思います。









 この定義を踏まえて、近年のアニメ作品にて「俺TUEEE」と呼ばれる、議論される、揶揄される作品の傾向から、なんとなく六つに分類してみました。こんな感じです。



「俺TUEEE」分類一覧


・主人公補正型

・一芸特化型

・制御困難型

・お膳立て型

・天然無自覚型

・全知全能型



 では一つずつ説明していきます。




・主人公補正型


 俺TUEEE度:☆


 物語を動かす主人公故にいろいろと優遇されたタイプ。勝利しないと先の話に進められないからこそどうにかして主人公を勝たせなければならない、というジレンマから生まれたもので、最終的に勝利する場面ばかり注目された結果俺TUEEEとされてしまうパターン。しかしながら勝利するまでに苦悩があったり普通に敗北したりするため、物語全体で見ていくと実はそこまで俺TUEEEしていないことに気がつく。王道少年漫画らしさがあるのが特徴であり、またその部分が作品を楽しむポイントだったりする。


 例:『ソードアート・オンライン』 キリト/桐ヶ谷 和人





・一芸特化型


 俺TUEEE度:☆☆


 特定の分野に対して優れた技能や知識を持っているからこそ強さを発揮するタイプ。ただし得意とする分野以外の要素が並程度であることが多く(もしくは並以下)、その得意分野外が弱点となって苦戦するパターンがよくみられる。主人公補正型と同様そこまで俺TUEEE感はないものの、しかし俺TUEEEの根拠とされる強い能力ははっきりと描写されているのもポイントで、安定して一発逆転してくれる安心感を楽しむタイプかと。異能力バトルものとの相性もいい。


 例:『ゴブリンスレイヤー』 ゴブリンスレイヤー





・制御困難型


 俺TUEEE度:☆☆☆


 強大な力を持っていることは間違いないのだが、しかしその強さの加減をコントロールすることができない、もしくは能力の発動条件が厳しすぎる、または発動に伴い致命的な反動がある、など、強大な力と釣り合うデメリットがあるタイプ。こちらも主人公補正型や一芸特化型と同じく苦戦や敗北をするものの、最強の力を有しているのも確かであり、先の二つよりは俺TUEEEらしさがある。一見一芸特化型と似ているが、しかし一芸特化型は能力を制御できていて能力の直接的な欠点も少ないのが特徴であり、「できれば使いたくない力」というパターンが制御困難型になるかと。最強の力を使うまでの葛藤や覚悟が見所になるポイント。


 例:『ストライク・ザ・ブラッド』 暁 古城





・お膳立て型


 俺TUEEE度:☆☆☆☆


 主人公が最強であることは間違いないのですが、その主人公が登場するまでに脇役が戦闘をするタイプ。脇役が苦戦もしくは瞬殺されることで敵対する相手が強大であることを演出し、満を持して登場した主人公が難なく倒してしまうことで主人公の最強さを描くもの。ある意味ではヒーローそのもの。主人公の戦闘能力においての欠点がなく、登場さえすれば勝ち確定となるため、主人公の活躍を楽しむというよりはそれまでヘイトを溜め込みそれを一気に解消してくれることでカタルシスを得る楽しみ方。しかしマンネリ化しやすく、安易に脇役の苦戦パートを長引かせてしまうとただただストレスが溜まるだけになってしまうため、塩梅が難しいかと。


 例:『ワンパンマン』 サイタマ





・天然無自覚型


 俺TUEEE度:☆☆☆☆


 主人公自身があり得ないほどの幸運の持ち主だったり、自身の力の影響に対して想像力が足りてないなど、別名「俺なんかやっちゃいました?」系のタイプ。小説家になろう発の作品に多いイメージ。幸運や無自覚のせいか戦闘で苦戦や敗北をすることは滅多になく、とにかく「気持ちイイ!」を提供してくれるもの。特性上シリアス展開や意味深な展開になることはないため、むしろギャグやコメディとの相性がいいかも。他の俺TUEEEとは違い最強からくる爽快感を楽しむのではなく、楽しさや気持ちよさを堪能する傾向があると思われる。ただ主人公のキャラクター性によってはただのムカつく奴になってしまうので、人を選ぶ作品になりやすいかと。


 例:『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』 メイプル/本条 楓





・全知全能型


 俺TUEEE度:☆☆☆☆☆


 とにかく主人公強すぎる。これに尽きる。絵に描いたような最強で、誰も主人公を倒すこともできず、主人公一人で何でもこなせられる。自身の力に自覚を持っており、全くもって欠点や弱点がないので隙がない、まさに中二病のような設定。あまりに最強過ぎて見応えがなくなってしまうのではという心配はあるものの、しかし設定次第でいくらでも格好よさを演出できるため、うまくハマれば面白い作品に仕上がるかと思います。とくに主人公のキャラクターは俺様系やクール系との相性がよく、うまくいけば男女両方のファンを獲得できるかもしれませんね。ホストの帝王ことROL〇ND氏を主人公にしたみたいな、男女問わず思わず惚れてしまいそうになるくらいカッコイイ主人公の活躍で爽快感を得るのがポイントかと。


 例:『魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』 アノス・ヴォルディゴード








 という感じで、なんとなくで「俺TUEEE」を分類しました。こちらはあくまで個人用としての分類のため、ツッコミどころがあってもスルーして、決して真に受けないでいただきたいです。



 以上、テレビアニメ『魔王学院の不適合者』をきっかけに「俺TUEEE」について考察した結果でした。やっぱアノス様カッコよくて強いわ!






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