【ドラマ】『ゆるキャン△』実写化したけど、どうよ?

2020年2月12日





 2020年も、早くも一ヵ月が過ぎました。いや、ホント、時間が経つのが早い……。


 2月になったということは、つまり2020年スタートの新番組が放送一ヵ月経過したことになりますけど、いやー今期のアニメは面白いのが多くて素晴らしい! 豊作です!



 そんな注目タイトルが多い2020年冬ですが、でも注目するのはアニメだけではありません。そう、今期はあの『ゆるキャン△』の実写ドラマが放送しているのです。


 というわけで今回は、実写版『ゆるキャン△』を一ヵ月視聴して感じたことです。









  あらすじ(Amazonプライム・ビデオより転載)

 冬の湖畔で独り“ソロキャンプ”をする女子高生、リン(福原遥)。そこに、自転車に乗り富士山を見に来て迷子になった女子高生、なでしこ(大原優乃)がやってくる。二人で焚き火を囲み、カップラーメンを食べながら目に飛び込んできた景色とは…。見ればキャンプに行きたくなる。行かなくても行った気分になる。そんな新感覚ゆるゆる系キャンプドラマ!



 公式ページ(テレビ東京)

https://www.tv-tokyo.co.jp/yurucamp/










 人気漫画やアニメを実写化すると、必ずといってもいいくらいに酷評される傾向があるかと。確かに「キャラクター」として描かれている漫画やアニメを、実在している役者さんが演じて「人物」として表現するわけですから、それはー下手に実写化すれば叩かれるのは当たり前ですよ。過去には実写化に成功した作品もありますが、しかしそれらはほんの一握りであり、決して数が多いわけではありません。



 ただですね、私の場合はになります。




 自分、そもそも実写作品そのものが苦手なのです。






 おそらくこの『物語中毒者の戯言』という謎書き物の中で、どっかの回でもお話したかもしれませんが、私実写作品全般ダメなんですよね。





 自分としては、フィクションと現実をはっきりと区別したいタイプだと思っています。ですので、たとえ物語に触れる中でリアリティを求めることはあってもリアルを欲しているわけではないのです。



 そのあたりのことですと、小説というメディアはよくできたものだなと感じています。小説は文字の媒体となりますので、当然得られる情報は文章からイメージするしかありません。この自分でイメージに変換するというところがポイントになりまして、脳内での想像ですから人物であったり世界観などといったことを自分の解釈のもとデフォルメ化されるのです。


 たとえば小説の作中で「橋本〇奈風の美少女」が登場したとして、実際に想像するのは「橋本〇奈」そのままではなく「橋本〇奈に似た人型の何か」になると思います。脳内で橋本〇奈の細部まで再現できる人は相当なファンでもないと不可能かと。つまり小説の文章を読んで思い浮かべたことはその変換の過程でリアルの情報を削ってデフォルメ化されるというわけです。よってその「橋本〇奈風の美少女が登場する小説」を読んだ読者の数だけ脳内美少女のパターンが存在するのです。





 一方実写のドラマであったり映画であったりする媒体は、実在する人物が実在するロケ地で演技したものによって構成されています。つまりは実写ものは現実の情報が多くなってしまうのです。


 先程「橋本〇奈風の美少女が登場する小説」で例をあげましたが、もしこの小説が実写化した場合どうなるのかというと、登場するのが「橋本〇奈風の美少女」ではなく正真正銘「橋本〇奈」になってしまうわけです。つまり実写というメディアで発表された時点で、美少女の姿が「橋本〇奈」で固定されてしまうのです。


 ではそれの何がいけないのかというと、女優橋本〇奈は、実際に生きている人物であるところにあります。その女優さんのプライベートの一面もあれば、バラエティ番組に出演したときの印象、はたまた他作品で演じた役のイメージなども想起してしまうわけです。小説に登場する「橋本〇奈風の美少女」に神〇やかぐ〇様といった全く関係ない他作品で演じたイメージがプラスされてしまうので、作中においてのキャラクター性が滅茶苦茶なことになってしまうのです。


 これがまた橋本〇奈という女優さんのスキャンダルとかを存じ上げないのでまだいいですが、過去にスキャンダルがある俳優さんが演じられると、その役そのものにもスキャンダルが張り付いてしまうのです。仮に「覚せい剤で逮捕された俳優」が演じた警察官役があったとすると、こちらとしては「覚せい剤で逮捕された警察官」という印象になってしまって、その違和感が強くなって作品のストーリーに集中できなくなってしまうのです。



 そしてこの現象は何も邦画だけではなく、洋画にも出てしまうのです。キアヌ・〇ーヴスが何を演じてもキアヌ・〇ーヴスですし、トム・〇ルーズが何を演じてもやっぱりトム・〇ルーズになってしまうんですよね。アーノルド・〇ュワルツェネッガーが妊娠する映画ありますけど、でもあなたターミ〇ーターでしょ!って思ってしまって、いらない情報が反映されてしまうせいでストーリーを楽しむことができなくなってしまうんですよね。




 つまり私は、実写作品を鑑賞する際に「リアルな情報」というノイズを常に拾ってしまうのです。そのため邦画だろうがハリウッド映画だろうが実写作品全般が苦手なのです。







 それに比べて漫画やアニメは実写作品よりも格段に見やすいです。もちろん小説と違って漫画やアニメは作画の媒体になりますので、登場人物であったり背景の世界であったりする部分のイメージが固定されてしまうのですが、しかし漫画やアニメに登場するそれらはなのです。その作品の中にしか存在しない、唯一無二のイメージなのです。


 仮に実在する人物や実在する場所が登場したとしても、それらは写真ではなく作画されたものになりますので、リアルからイラストに変換されその過程でデフォルメ化されるわけです。つまり漫画やアニメなどの作品はリアルの情報を削ぎ落してくれているのでノイズを感じることなくお話に集中することができるのです。



 では声優はどうなのか? アニメだって声優という実在の人物の声があるじゃないか? というご指摘が出てくると思います。


 これに関しては、「キャラクターの見た目が違うのなら割となんとかなる」という感じで、影響は少なめです。たとえば御冷〇ァハと関〇なるは同じ上田麗奈という声優さんが演じていますけど、この二つのキャラははっきりと区別できるくらい差があります。というか声優さん全般キャラクターの演じ分けがしっかりできているので、たとえ同じ声優さんが演じられていても違和感とかは全然ありません。……まあただ単に自分がアニメに慣れてしまっているからかもしれませんし、声優ファンでもないので声優さんご本人の情報をあまり知らないからなのかもしれませんけどね。








 ただまあそんなこんなで、フィクションを混じり気のない純粋なフィクションとして受け止めたいタイプの私としては、小説や漫画がベストな媒体であり、次点でアニメとなります(見やすさ親しみやすさという点に関してはアニメが一番ですけど)。


 一方実写作品全般はフィクション以外のリアルな情報も受け取ってしまうため、個人的に実写は最も苦手とする媒体となります。まあ、単純に自分の視聴の仕方に問題があるので、こればかりは完全に私が悪いですけど。









 で、ここでようやく実写版『ゆるキャン△』の話になります。前置きが長くなってすみませんでした。




 自分みたいな実写苦手人間でも『ゆるキャン△』のドラマは毎週視聴しています。



 それにはいろいろと要因がありまして、まず、正直に言うと最初は怖いもの見たさで見始めました。第一話だけ見て「やっぱ実写化ってダメじゃん!」と再認識する作業をするだけでした。


 ですがドラマの『ゆるキャン△』は、実際に見て感じたこととして、演じられている役者さんをはじめ制作スタッフもかなり原作を研究されていることが伝わってくるクオリティでした。別に原作に忠実なストーリーだからというわけではなく(個人的に面白い内容であるならば改変は問題ないという認識)、登場人物であったり作品の世界観だったりする部分のイメージを壊さないよう原作をリスペクトしていて、そこは評価に値すると思っています。他の実写化作品に見習わせたいくらいです。とくに大垣千明役の女優さんがスゴイ。一体どこで見つけてきたんだってくらいそのまんま千明ちゃんでしたよ。いやこれはスゴイ。



 ただ原作を研究している点がよくて視聴を続けられているわけではありません。個人的な事情ではありますが、もっと根本的な要素によってドラマ『ゆるキャン△』を楽しめています。



 その要素というのが、ドラマ『ゆるキャン△』に出演されている役者さん、というところです。ええ、お恥ずかしながら……。




 第一話を見終わった後に志摩リン役の女優さんの愛称が「まいんちゃん」ということを知って 「あーハイハイ、あの料理番組に出ていた子役ね!」と思い出せたくらいです。でもその料理番組を見ておらずネットの画像で見かけた程度であり、加えて子役時代の容姿しか知らなかったのです。よって大人になって志摩リンを演じていたとしても、志摩リンとまいんちゃんの印象をはっきりと分けることができたので、ドラマを見るうえでノイズになることはありませんでした。他の女優さんは……すみません本当に存じ上げませんでした。




 ただそういった演者のリアルな情報を全く知らなかったからこそ、実写作品であるドラマ『ゆるキャン△』からはノイズが限りなく少なくなっていて、それ故実写作品であるにも関わらず毎週楽しんで視聴することができています。






 といった感じで、多分こんな変な見方をしているのは自分だけだろうと思いますが、一応ドラマ版も楽しんでいます。ただまあ面白さでいえばやっぱり原作漫画やアニメにはかないませんねー。



 個人的には、


 漫画=アニメ>ドラマ


 って感じです。




 ただまあ珍しく視聴できる実写作品なので、今後も楽しく見ていきたいと思います。というか、今日水曜日だから、明日放送じゃん!?





 という感じで、明日放送のドラマ『ゆるキャン△』第6話をよろしく。





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