連編

絶望


 絶望は襲い掛かってくるものではない。それは体内から侵食してくる。心臓から腕から指先から足からかかとから目から鼻から耳から頭から侵食していく。

 私は再び侵されていた。犯されていたし、冒されてもいた。

 どこからか子供がはしゃぐ声が聞こえてくる。きっと学校帰りだろう。

 空はこんなに青いのに。社会は今もめまぐるしく動き続けているのに。



傷跡


「死にたいの?」

 そう言われた。悲痛に言われた。

 違う。生きたいからだって、言っても理解されない。

 本当はやっぱり、死ぬべきなんだろう。でも、死ねない臆病者だから、本当は生きてちゃいけないんだって、その教訓くらい、自分自身に残しておかなきゃ、このままのうのうと生きていきそうだから。



願望


 他の人間が今、どこかで笑っている泣いている、談笑している、食事している、睡眠している、呼吸している、生きている、そんなの許せない。

 優しさだけを残して世界が滅びてしまえばいいのに。



睡眠


 早く明日が来ればいい。早く明々後日が来ればいい。何年も経って、私が、死ねればいい。自分で死ぬのは怖いから、時間に殺されたい。

 しかし死の行き着く先が無でないのなら、――

 生まれたての朝日が昇るころ、私は睡眠に落ちる。




あとがき


 とりあえず、なにか、かきたかった。

 なんでもよかった。

 おもむくままにかきはじめたら、ちゅうがくせいのころの、なんだ、これは、じつわだ。

 しぬとか、なんとか、にげようとしてたのかな、それとも、ふみだそうとしてたのかな、いまだに、よくわからない。

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