2☆<(4

工藤

第1話

『っあ''…!!!…っ…い''だ…ぃっ』


腕にポチッと赤くジュクジュクとした焼け痕


タバコの火は完全に消え、それと同時に私も何かを失った気持ちになった。初めて自分で自分を傷つけた。腕はジンジンと熱を持った痛みを主張してくる。それは彼も同じだろうに、どうしてそんなに満足そうに笑ってるの?


「嬉しい。同じ傷跡だね…一生残るよ、これ」


『っ…い…しょう……』


「でも、まだ足りない」


『え、』


「足りないよ」



さっきまで暴力に耐えてた身体だ。彼を拒む力は残ってなかった。


まぁ、そんなこと怖くて出来ないけど、




___ガリッ



『……ッ…!』


首筋に走る鋭い痛み。続けて同じところを何度も何度も噛まれる。


『ぃ…っ…まっ…痛い…!』


首筋に生暖かいものが流れる。すると熱い何かが首筋を這う感覚がする。


___ピチャ…チュ…


「…美味しい、」


ペロッと口の端を舐め私を見つめる彼は女の私が見ても、とても淫らで妖艶だった。



ベットに押し倒されギシッとスプリングが軋む。床に散らばっていく私の服。


口づけをされると鉄の味がした。


もう私に彼への愛はないのに、こんなことしたくないはずなのに身体は反応してる。触れられれば声が漏れ、意地悪に焦らされれば求めてしまう。


「…ッねぇ、〇〇は…どこにもッ…行かないよね…ッ?」


その問いかけに対しても声にならない声で返事をするしかできない自分が情けない。

後ろから犯されてる今彼の表情は分からない。


「怒って…ごめん…愛してる…ッ…」


あぁなんて、残酷な人なんだろう。

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