初めてだし艦ガチャ引こう!

戦闘を終えた4人は部屋から出てガチャスポットに来ていた

ガチャスポットでは艦ガチャと言われる物が出来る

これで新たな艦を手に入れるのだ

1回200円程で出来るのでお手軽に艦を増やす事が出来る


「まぁ1隻は持っといた方がいいだろうし1回ずつ引いてみ?」

「ちなみにおうじーは何隻持ってんの?」

「300隻超えてる」

「マジかよ。春香並やな」

「私そんな持ってねぇよ」


まず春香から引いてみる

出てきたのはジェラルド・R・フォード級航空母艦1番艦ジェラルド・R・フォードだった


「激レアだな。確か日本サーバーに5隻くらいしか無かった気がするぞ」

「マジ?そんなレア?」

「そんなレア。次は光里だな」


まさかの激レアが出た次に引くと出たのはシーウルフ級原子力潜水艦3番艦ジミー・カーターだった


「コイツは性能が良いんだよな。潜水艦の中だと最強クラスだ。って詩織里もう引いたのかよ!?」

「なんか出たよ!」


ジミー・カーターの説明が終わる前に詩織里がしれっとガチャを引いていたが出たカードに書かれた艦を見た湯又はビックリしてひっくり返りそうになった


「お前マジか!?」

「うぇ?なんかヤバいの?」

「コイツはまだ実装されて数日のズムウォルトだ!」


詩織里が引いたのは実装されて数日のズムウォルト級駆逐艦、ズムウォルトだった

イマイチよく分かっていない3人に湯又が解説した


「アメリカ軍の最新鋭駆逐艦でな、改装したら最強になると言われている。ちょっと改装してみようか」


向かった先は改装エリア

入り口のカウンターの店員に声を掛け、中に入る


「お、湯又くん。また新しい艦手に入れたの?」

「ああ、激レアのズムウォルトだぞ。俺の艦じゃないがな」

「マジ!?戦闘行く時声掛けて!絶対見る!!」


店員の反応からただの船ではない事を理解した3人は湯又と共に筐体に向かい、カードをセットする


「改装ってどんな事出来るの?」

「簡単に言えば性能を上げられる。最終段階まではある程度決まった改装計画に従って改装するが、最終まで行けば射程や威力とか好きに改造できる。ただ、ゲーム内の資源は必要だし、強力な艦ほど必要資源量が多くなる。ズムウォルトは.....oh......」


画面を見て固まる湯又

他の3人はその横から画面を覗き見る

資源は3種類あり、今回は湯又が改装資材を受け持ってくれていた


「資材の要求料、5桁だね!」

「.....ギリギリ5桁だな、全部」

「.....これって、こんなに集まりやすいの?」

「..........俺最高でも4桁しか見た事無いんだけど。5桁とか1ヶ月必死に集めて集まるかどうかなんだけど」


流石にここまで要求されるとは思ってなかったが、性能は気になるの改装してみる

改装によりカードが更新されたが、見た目に変化は無かった

しかし、改装後のステータスを見た湯又はまた固まった


「おい、マジか。主砲にレールガン二門、対空レーザー二門、VLS70セルに短魚雷だと?ミッションパッケージにヘリ搭載可能?これは..........」


新兵装となるレールガン、対空レーザーに加えてアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦に迫る70セルのVLSを搭載可能となるのは想定外だった。

また、ミッションパッケージとはミッションに合ったシステム、兵装を搭載する事で様々な任務に対応出来る様にする為の仕様であり艦の汎用性を高める

トドメにヘリまで搭載可能と来た

ここまでの高性能となると性能を試さない訳には行かない


「どうどう?強い?強い?」

「.....3人とも、アメリカCICの部屋の前で待っててくれ。相手を探してくるわ」

「おっけー!」


数分後、相手を見つけた湯又と部屋に入り相手を指定、戦闘に入った


「詩織里、すまないが今回の戦闘、俺が指示出していいか?」

「良いけど?どうしたの?」

「この艦、多分めちゃくちゃ強い。が、その分艦長の役は大変だ。だから、俺が見本を見せる」


そう言ってモニターに向き合うと、無線越しに指示を出し始めた


「操艦、速力30ノット。進路は直進。レーダー、不審物捉え次第報告、電子戦用意」


直進する事5分少々

敵艦の姿を捉えた


「レーダーに反応あり!5隻!」

「OK、相手はまだ見えんだろ。レーダーは敵艦の種類特定を。操艦、速力40で取り舵。30度傾いたら舵戻せ。」


最高速の40ノットに加速し取り舵で進路を変更する

舵の効き、速度共に優秀だった


「敵艦はスラヴァ級4隻、キーロフ級1隻!レーダー波探知!」

「対空対艦戦闘用意!電子戦はミサイル発射探知と共に開始!」


レーダー波を感知してすぐにロシア艦で固められた艦隊からミサイルが連続発射された


「敵艦隊ミサイル発射!数30!マッハ2.5!」

「シップレックか!スタンダード連続発射!」


ロシア艦隊から放たれたミサイルはP-700グラニート、NATOコードネームシップレック

元々はアメリカ空母を狙う為の大型対艦ミサイルであり、駆逐艦には1発でも十分である

迎撃の為のスタンダード対空ミサイルが30発発射され、お互いの矢印が交差する


「10発来るよ!」

「対空レーザー射撃開始!」


生き残った10発のP-700だが、想定外の結果が待っていた

一瞬にして全てが爆発したのである


「え.....敵ミサイル消失!」

「こいつぁ良い!反撃だ!艦首レールガン射撃開始!」


湯又が引き金を引くと、艦種にある二門の超兵器が火を吹いた













「湯又くん、とんでもないの持ってきたな?」


僚艦から発射されたP-700が全機迎撃されたと聞いた時、キーロフ級の艦長はなにかの間違えではないかと思った

レーダーから消えているのだから迎撃されたのは事実だろう

だがどうやって?CIWS?SeeRAM?砲兵装?正直判断出来なかった

しかし、ここに来て攻撃を止めるのは悪手だ

まだ全艦がP-700を残している


「全艦に通達!グラニードを全弾発射!それと全艦最大戦速!砲撃戦用意!」


そう命令を下した直後だった

右前方を航行していたスラヴァ級が突然、大爆発を起こした


「何が起きた!?!?レーダー!」

「分かりません!レーダー上に機影無し!」


事態を把握する前に今度は左前方を航行中のスラヴァ級の艦上構造物の後方が吹き飛んだ

キーロフの艦長は無線を使って僚艦に連絡を取る


「こちらキーロフ!どうした!?」

「不明です!!艦後方の構造物が突然吹き飛びました!!直前に見張り員が敵艦が発砲するのを確認してm──」


ました、そう言おうとした瞬間に船体を貫かれ、爆発四散した

敵艦の発砲、それが事実ならば2隻のスラヴァ級を葬った正体は艦砲射撃である

まだ砲が届く距離ではないが、何せズムウォルトなのだから新兵装を載せているのだろう

そう判断した艦長は指示を下した


「残る2隻を前に出せ!グラニード発射!ジグザグ航行開始!」


艦隊後衛だったスラヴァ級が増速しキーロフ級の側面を通り前に出ようとする

その瞬間、2隻が同時に爆発した


「そんな..........」


唖然とする艦長

次の瞬間、キーロフ級も同じ運命を辿っていた








「状況終了!!すげぇわ」


湯又の口から出たのは率直な感想

敵のミサイルが消滅したのは対空レーザーによる攻撃を受けて爆発した為

敵艦を撃沈したのは主砲のレールガンであった


「詩織里、コイツはとんでもねぇ。でも問題がある」

「へ?」


そう湯又は言った途端、目の前の計器類のあるテーブルに突っ伏した


「死ぬ程疲れる.....新兵装ばかりだからな.....」

「あはは.....これからも頼むよ?」

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初めてやる戦艦ゲームで最強の艦を引き当てたので苦労せずに勝てそうです ならや @ITAMI

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