結婚という残酷なものはない~ヲタクの恋愛事情~

ルカラ

第1話ヲタクが恋する日

 太陽が照りつける今日この頃。

 私、天瀬なずな(あませなずな)は、桜川高校に通っている高校一年生だ。

桜川高校は、伝統のある高校なのだが、校舎がとても古いため、夏はとても暑く、冬はとても寒いという寒暖差の激しい高校だ。

その校舎内には、「おはよー!」という声が飛び交う。

いつもだったら、こんなに皆「おはよー!」ーなんて言わないのに…と思う自分がいる。

なんで、「おはよー!」って挨拶が飛び交うのかって思う人もいるも知れないので言っておこう。

実は、今日は終業式で明日からは、夏休みに、入るからだ。

しかも、桜川高校は他校と違って補習がないため、皆気が浮いているのだ。

 そんな中、教室では、自分の夏休みの計画について話している人がいたり、自分の趣味を話している人がいたりと様々な会話が飛び交っていた。

私の友達であるその乙那美桜(おとなみおう)は、とても声優が好きで、ライブに行ったり、グッズを買ったりと、とても熱狂的なファンだ。

私は、今、美桜に【天峰三月】(あまみねみつき)という声優についてどう思うかと言われた。

でも、私は興味がなかった。美桜は、負けじと私に勧めてくる。

そんな、しつこい美桜に言われつつ、帰宅した私は、自分の用事を済ませてからパソコンを開いた。もう、時計の針は、十時を指していた。

美桜は、明日から夏休みなんだし、大丈夫でしょ!とのことだ。

 私は、明日、美桜に天峰さんのことについて話そうと誘われていたため、急いでその声優について調べた。

 第一印象は、笑顔が素敵で、私は不覚にも胸がときめいてしまった。

他にも、性格や特徴を調べた。すると、意外と変態気質な面もあるが、そんなに悪い人だというイメージはなかった。

あともう一つのことが分かった。それは、天峰さんは、ゲーマーという正体が見えてきた。

私は、これにときめいた。何故ときめいたのかというと、実は、自分もゲームが好きで、特に格闘ゲームは得意中の得意からだったからだ。

 私は、天峰さんのことをもっと知りたいという衝動に駆られた。

それ以来、私は天峰さんのことが好きになっていった。

 家族はこのことを誰も知らない。おまけに、私には兄弟、姉妹というものもない。なので、誰も私に難癖をつけるひともいない。

 私は、自分で、最高の空間にいるじゃないか!と思いつつ、天井を眺める。

何の変哲もない天井を眺めながら、静かにパソコンを閉じた。

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