第30話女達の猥談
清宏達が男湯で下世話な話に盛り上がっている最中、女湯は女湯でビッチーズ達による、更に卑猥な発言が飛び交っていた。
「ねぇ、そっちはどうだった?」
「あ、ウィルちゃん?あの子、見かけによらず結構なモノ持ってたわよ!
あんたの方はどうだったの?」
「グレンちゃんは、何と言うか何もかもが普通だったわよ・・・」
「えーっ、あれはあれで良いじゃん!解ってないなー・・・」
「ローエンちゃんは優しかったわよ?私達は魔族だから結構タフなのに、女性扱いして気を遣ってくれてるのが可愛かったわ!」
「ねえ、ローエンちゃんってどの位あった?」
「えっと、このくらい?だったよ!」
「あんた、その身長でよくそんなの入ったわね・・・」
「あたしをナメちゃいけませんよ・・・こう見えてケーケンホーフなんです!!」
ビッチーズ達は口々に感想を言い合っている。
「ねぇ・・・ねぇってば!あんた達ちょっとは自重しなさいよ!!」
これまでしかめっ面でビッチーズの会話を聞き流していたリリが、ある事に気付いてビッチーズを注意した。
「何よリリアーヌ、私達は清宏様に報告する内容をまとめてただけよ?」
「いけしゃあしゃあとまあよく口が回るものね・・・あんた達ね、シスの気持ちも考えなさいよ!
何が悲しくて仲間の情事の話を聞かされないといけないのよ!?
とばっちりでリリス様が窒息しかけてるじゃない!!」
リリはシスに駆け寄り、シスにきつく抱きしめられているリリスを助けた。
リリスはぐったりとして、目が虚だ。
「リリス様大丈夫ですか?
シスもごめんね・・・あの馬鹿達には後でキツく言っておくから」
リリがリリスを介抱しながらシスを気遣うと、シスは顔を真っ赤にして苦笑した。
「い、いえ・・・ちょっと恥ずかしいですけど大丈夫です!」
「ごめんねシスちゃん、もしかしてあの3人の中にシスちゃんの恋人とかがいた?」
「えっと、グレンは私の義兄です・・・」
ビッチーズの1人がシスに尋ねると、シスは目を逸らして呟いた。
それを聞いたビッチーズ達の顔が引き攣る。
「なんかごめんね、私も姉妹のそんな話は聞きたくないわ・・・」
「だよねー・・・でも安心してシスちゃん、グレンちゃんはなかなか良かったよ!」
「全然フォローになってないわよ馬鹿!」
リリはビッチーズ達を怒鳴りつけ、ため息をついた。
「まぁ、シスちゃんは処女だしこんな話には免疫ないか・・・ごめんね!」
「いえ、気にしないでください!」
謝るビッチーズ達に、シスは笑顔を見せる。
「それにしても、シスちゃん可愛いのに勿体ないよねー・・・世の男共は何をしてんのかね?」
「処女って言えば、アンネちゃんとリリアーヌも処女よね?
貴女達は誰か良い人いないの?」
ビッチーズ達はリリとアンネを見る。
急に話を振られた2人は、慌てて首を振った。
「残念ながらご縁に恵まれておりませんので・・・」
「いる訳無いじゃない!いたらとっくの昔に捨ててるわよ!」
2人は顔を真っ赤にして俯いた。
「リリアーヌはほんとに選り好みし過ぎなのよ・・・だからいつまで経っても処女なのよ」
「私は誰とでも寝る安い女じゃないの!初めては好きになった人にって決めてんのよ!
私はあんた達と違って尻軽じゃないの、だからほっといて!!」
リリはビッチーズ達に怒鳴る。
すると、それを聞いたビッチーズの1人が自嘲気味に笑うと、遠い目をして呟いた。
「熱いセ◯クスさえあれば愛なんて要らないのよ!・・・と、思っていた時期が私にもありました・・・。
でも、今日初めて清宏様の指示通りにやってみて、こう言うのも良いかなと思う自分がいるのよね・・・。
だから、何と言うかリリアーヌの言ってる事も解る気がするわ」
それを聞いた他のビッチーズ達も頷いている。
「確かにねー・・・正直、今までは男の事を単なる餌としか見てなかったけど、今日あの3人とヤッてる最中は楽しかったし、あの子達が感じてるのが解るのは嬉しかったわ・・・」
「な、何よ急に・・・頭でも打ったの?」
「失礼ね・・・今まで知ろうともしなかった事を知って、考え方が変わっただけよ」
リリの言葉を聞き、ビッチーズ達はため息をついた。
「そうだ、3人共清宏様に処女あげたら?
清宏様も童貞だしちょうど良いんじゃないかな?
何故か私達には魅了されないし、処女ならもしかするかも!!」
その言葉を聞き、3人は慌てて首を振る。
「無い無い!絶対にあいつとだけは嫌よ!」
「私は嫌ではありませんけど・・・正直想像出来ないです」
「清宏さんは恋愛対象には入りません!
まぁ、嫌と言う程ではないですけど・・・」
リリは完全否定したが、アンネとシスは満更でもない様子だ。
「えーっ?清宏様良いと思うんだけどなー・・・私達の事しっかりと見てくれてるし、皆んな平等に接してくれて贔屓はしないしさ。
人間なのに、私達の事を怖がりもせずに接してくれる人って貴重だよ?」
リリはそれを聞いて唸る。
「確かにそう言われたらそうなんだけどさ・・・」
「無駄じゃよ・・・」
リリが悩んでいると、いつの間にか意識を取り戻していたリリスが小さく呟いた。
「何でですか?」
リリが尋ねると、リリスは苦笑した。
「清宏の意思は堅いからの・・・あやつは言っておったじゃろ?絶対に誰にも手は出さんとな。
本来、男はサキュバスの魅力には勝てん・・・個人差はあるが、お主達は無意識のうちに相手を魅了してしまうからの。
じゃが、清宏は一度もそんな目でお主達を見なかったじゃろ・・・何故か解るか?」
リリとビッチーズ達は首を振る。
「本当は、清宏には皆には言うなと言われておったが仕方なかろう・・・このまま放って置いてはお主達は暴走しそうじゃしな。
あやつがお主達に魅了されん理由は魔道具じゃよ・・・目には見えんが、あやつの身体には妾が与えた魔道具が埋め込まれておる。
リリを召喚した日、あやつに性欲を抑制する魔道具か何か無いかとこっそりと頼まれての・・・あやつが全くお主達に魅了されんのはそのせいじゃよ・・・。
まぁ、それ程お主達の事を真面目に考えておる証拠じゃろうな・・・じゃから諦めよ」
リリスの言葉を聞き、その場の全員が沈黙した。
「まぁ、可能性はなくは無いがの・・・あやつが妾に言っておったじゃろ?その気にさせたければ惚れさせろとな。
じゃから、お主達があやつ好みの女になれば、案外あやつから頭を下げてくるかも知れんぞ?」
リリスはそう言ってニヤリと笑う。
「燃えてきたわ・・・そうと知ったら清宏様を本気にさせたくなるわよね!
やっぱり初物は最高だもの・・・それが清宏様ならなおのことよ!!」
「あ、じゃあ私も本気で狙っちゃおうかなー・・・」
ビッチーズ達のテンションが上がって行く。
「あまりしつこく迫るなよ?あやつを怒らせたら、アルトリウスでも止められんからな!」
『はーい!!』
リリスの忠告に、ビッチーズ達は元気に返事をする。
はしゃぐビッチーズ達の影に隠れ、密かにアンネも拳を握って意気込んでいた。
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