深夜あざやぐ川の下
げんさい
深夜あざやぐ川の下
風が吹く
風が吹く
きみの幻に手を伸ばして 涙を流したこともある
坊やの時代は終わりました
幽寂の夜空に うるさいほどの星を蒔いた
遠く聞こえる雷を 恋しいと思ったよ
彼が運ぶ悲しみの怒涛を
浴びたかったのです
彼がもたらす息もできないほどの恵みを
風が吹く
風が凪ぐ
きみが幻に手を伸ばして 涙を流すことがあるなら
お嬢さん、その手を握りに行きます。
くるぶしをくすぐる名も無き草に 今夜ばかりは愛を注ごう
きっと、朝には消えてなくなる、その程度の感傷だとしても
今夜ばかりは 今夜ばかりは
深夜あざやぐ川の下 げんさい @umetel
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