焚火

成神泰三

焚火

焚火を見るといつも考えさせられる。


人はなんて傲慢な生き物なのかと。


焚き火台の上に乗っかっている火を見て、これは私が面倒を見ないと死んでしまう生き物であると勘違いし、偉そうに薪を焚べるが、実際はそんなことはない。


1度風が吹き、焚き火台が倒れれば、1度火の粉が爆ぜて焚き火台から出てしまえば、我々人間の手など借りずとも、自らの持てる力で全てを焼き尽くしてしまう。


火は我々の手などはなから必要としていない。火が求めているのは、我々の手ではなく、自らの糧となる草木だけだ。


それを知ってか知らずか、人は片手間で扱えるものだと鷹を括り、煌々と燃え広がる雄大な焚火に目もくれず、下卑た笑いで悪巧み。


焚火を見ると、いつも考えさせられる。

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