第16話「友達」

晴れてなったと思った友達は、友達なのだろうか。

無意味な固執。

まだ恋愛感情を持つ僕が、話しかけてはいけないのだろうか。

友人になったのだから、まだ想ってもいいのだろうか。

友達でいてね。と彼女は言う。

彼女はまだ忘れられないからと言った。

けれど、素直に信じていいものか分からない。

僕を傷つけまいとする嘘か。

タイプじゃないから、と言われた方がこんなに好きなままでいなくてよかったのに、

彼女は好かれたいだけなのだろう。僕も同じだ。

⋯⋯お前も友達の何人目かでしかない。

その言葉が僕を繋ぎ留める。

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